朝最寄り駅で、佐江ちゃんに会った。

「ゆきちゃんおはよう」

「佐江ちゃんおはよう」

電車に乗り、一緒に学校の駅まで降りる。


そこに、陽菜ちゃんと優子ちゃんが待っていた。

「佐江、ゆきちゃんおはよ」

「おはよ」

「ゆきちゃん寝れた?疲れたでしょ?」

「緊張していたけど、佐江ちゃんやみんなが優しくしてくれて嬉しかった。よく寝れたよ」

「それはよかった😄」


1時間目国語で、まだ教科書が届いてないため、常に佐江ちゃんに見せてもらってる状態。

「いつもありがとう」

「ううん、大丈夫。」

「柏木さん、5ページ目読んで」

「はい。」

「佐江ちゃん借りてもいい?」

「もちろん。」

「ありがとう」

常にみんなを警戒して、ゆきちゃんは怖がっていた。

それくらいいじめられたときのショックはでかい。

2時間目保健体育で、体育は外で走る。

ジャージもまだ届いてないため見学の私。

外の日陰から一人で見学しようとしてたら、佐江ちゃんも制服でやってきた。

「佐江、生理で走るとお腹痛すぎて倒れるからさ。見学するんだ。」

佐江ちゃんは、ほんとに優しくて私がずっと気を遣って、迷惑にならないようにってしてるとおいでってしてくれた。

みんなが授業中、クラスメイトのことを聞くと佐江ちゃんが教えてくれる。

「優子は、着替えるとき気をつけたほうがいいよ。胸ある子は結構めっちゃ触ってる。陽菜ちゃんとかね」

「そうなんだ。」


「陽菜ちゃんはマイペースで、穏やかなコ。

彼女もめっちゃかわいいからさ、異性からモテて、その僻みからいじめにあったんだって。

同級生に襲われたって言ってたから」

「辛い経験してるね」

みんな優しいのはみんなが辛い経験をしてきたから。

話していたら、優子ちゃんから手をふられる。

それに返す私たち。



「佐江ちゃんもゆきちゃんもいないから、

陽菜じゃ足遅いから」

「優子ごめん」

笑ってみる。

「ゆきちゃん、まだ色々揃わなくて大変だね。教科書もジャージも」

「急な転校だから間に合わなかったみたい。」


「早く来るといいね」

「うん」

午後は、明後日からの一泊二日で行く旅行の話し合いだ。

私が、転校してきたことにより人数の変更ができたからだ。

「柏木さんは、どこのグループに入る?」

「ゆきちゃんは、私たちのグループに入ってもらいます。優子も陽菜ちゃんもいいよね?」

「もちろん。」

「ありがとう」


「部屋割りは悪いんだけど、三人部屋から二人部屋2つは取れないから、柏木さん誰かと同じベッドでも大丈夫かな?」

「はい。」

「佐江と一緒のベッドで寝ようよ」

「ありがとう」


佐江ちゃんがこまった部分をすべて、

「佐江が隣になります」

って言ってくれた。

だから、バスも新幹線も隣。

ほんとにありがたい。

「佐江ちゃん全部助けてくれてありがとう」

お礼を言ったら、

「友達なんだから、佐江たち」

って思わず涙が。

「佐江はもう友達だと思ってるし、仲良くやりたいからさ。楽しく過ごそう。泣かないで。」


佐江ちゃんに出会えてよかった。

帰りは4人ではじめてカラオケに行った。


ゆきちゃんがいっぱい笑ってくれた。

それが何より嬉しかった。