高1の夏、いじめに遭い私は学校に行けなくなってしまった。

人が怖くなり、友達なんていらないそう思っていたとき、お母さんがこの学校なら、ゆきも大丈夫だよと入ることを決めた。


「今日から転校生です。」

「柏木由紀です。よろしくお願いします。」


「みんな仲良くね」

担任の秋元先生が話す。


「柏木さんの席は宮澤さんの隣ね」

「宮澤佐江です。ゆきちゃんよろしくね。佐江って呼んで」

「お願いします。」


朝の会が終わると、みんな私の周りに集まる。

「柏木ちゃんはなんで転校してきたの?」

「いじめられて、不登校になったんだ」


「この学校訳ありの子たち集まってるんだよ。」

この学校はみんな色々あるって聞いた。


宮澤佐江ちゃん。髪が短くてイケメンな顔立ち。その隣には背の小さい大島優子ちゃん、モデルみたいなスタイルがいい小嶋陽菜ちゃん。


クラスにいるのは15人くらい。

1日ドキドキしていた私は、みんなの様子を見ていると、佐江ちゃんが入れてくれた。

学校終わり、佐江ちゃんたちが

「ゆきちゃん家どの辺?」と聞かれる。

最寄り駅を言ったら、「佐江もその駅で降りるから一緒に帰ろう」

「うん。ありがとう」


陽菜ちゃん、優子ちゃんとは駅でバイバイして電車に乗る。

最寄り駅に着いて、歩こうとしたら佐江ちゃんが家に来ない?って言われた。


「佐江、だいたい夜まで1人だからさ」

「お邪魔します」


「初日から人の家って緊張するよね。ごめんね。でも、ゆきちゃんと仲良くなりたくて」

「誘ってくれてありがとう」

緊張してるゆきちゃんをよそに、いろんな話をした。今の仲間の話。佐江の過去の話。

佐江は、兄2人いた環境で育って男友達とも仲良くて、好きだった男の子とも普通に話してたから、周りの女子から嫉妬されていじめにあった。


ゆきちゃんも同じ辛い思いをしての今だから、仲良くなりたいんだ。


「この学校ではみんな優しいし、みんな色んなつらい経験してるから気持ちがわかる人たち。だから安心してね。」

「ありがとう」

優しい佐江ちゃんは、いろんな話をしてくれて、私も緊張しながら話した。

「もしよかったら明日も学校一緒に行かない?」

って誘ってくれて。


「佐江ちゃん友達いっぱいいるんじゃない?私いたら迷惑じゃない?」

「最寄り駅から行く人いつもいないから嬉しいんだよ。明日7時に待ち合わせね。駅で」

「わかった。ありがとう」


佐江ちゃんの話を帰ってお母さんにした。

優しい友達に出会えてよかったねって。

楽しい学校生活になる気がした。