朝、ゆきちゃんを家まで送り、夕方お母さんに会ってほしいと言われた。

「仕事終わったら連絡するね」


定時に終わり連絡をする。

「18時には家にいけそう」

「わかった。待ってるね」


「ピーンポーン」

モニターを見て、ゆきちゃんが出てきた。

「佐江ちゃんお疲れ様。入って」

「ありがとう。お邪魔します。」

「お母さん、話があるの」

「あれ?看護師さんだったような」

「宮澤佐江です。前にゆきちゃんの担当していました。」

「実は、私佐江ちゃんと付きあってるの。

入院中に佐江ちゃんに惹かれて。つい最近久々に会って、佐江ちゃんに告白したの。」


お母さんは全ての話を聞いてから、

「ゆきは、本気なのね?」

「うん」

「宮澤さんもゆきとお付き合いしたんですか?」

「はい。付きあっています。」

「恋愛については、2人が決めたなら構わないです。ただ、同居するには私だけの判断は無理かな。学生なんだから、まだ親の世話になるよね?ゆきは。」

「反対?」

「社会人なら、別にもう何も言わないけど、学費も一人暮らしも払うのはお父さんよ。許可はもらわなきゃ。」

「そうだよね。」

「宮澤さん、もし一緒に住むとしたら生活費はどうしますか?」

「私から提案したことなので、1/3の生活費を払っていただければと思っています。

もちろん、今日来たのはご挨拶しないまま交際するわけにはいかないのと、今後のことがあり来ました。」


「宮澤さん、とりあえず交際の話はわかりました。どうぞよろしくお願いします。

ただ、生活するかは主人含めて話し合いさせてください。」

「わかりました。」

「ご飯食べていってください。」

「えっ?でも。」

「佐江ちゃんおいでよ」

「じゃあ、はい。ありがとうございます」


ご飯を食べて、ゆきちゃんが席を外したときに

「男性じゃなくて、ゆきでよかったんですか?」

「ゆきちゃんが中学生のときに、担当してまっすぐでかわいくて、優しくて。素敵なコだなって思っていました。退院してからも気にはなっていて。だから、再会できて嬉しかったんです。大人になって、ますます可愛くなっていて告白されて、付き合うことにしました。」


「ゆきのこと、褒めてくれてありがとうございます。」

「いえ。」

「お母さん、悪口言ってないよね?」

「言わない。宮澤さん素敵じゃない」


「ごちそうさまでした。美味しかったです。」

「宮澤さん、また遊びに来てください」

「はい、失礼します」

ゆきちゃんが来る。

「佐江ちゃんありがとう。お母さんが佐江ちゃんがゆきのこといっぱい話してくれて嬉しかったって」

「うん。お母さんと話せてよかったよ。」

「1回お父さんと話してみるね」


結局、お父さんの答えは

「自分で学費も払えないんだから、同居は卒業してからにしなさい」って言われたそう。

まあ当たり前だよね。


ゆきちゃんはそれを聞いて、少しでも早く佐江ちゃんと住めるようになりたいってバイトを始めた。


そして4月になり、ゆきちゃんは看護学生になった。

毎日は会えないので連絡と電話はこまめにしていた。

課題でわからなくて、悩むと電話がかかってくる。

「ゆき、明日休みだから会わない?」

「私明日授業午前中までだから会いたい」

「家おいでよ」

学校始まってから4日会えなくて、久々にゆっくり。

「学校どう?友達できた?」

「うん、まだ始まったばかりだけど頑張ってみる。」

「課題大変そうだね」

「うん、毎日にらめっこだよ。佐江ちゃんもこうやって頑張って看護師なったんだもんね」

「うん。そうだよ。」


「今日は佐江ちゃん泊まっていい?朝すぐに帰るから。」

「いいよ。話でもなんでも聞くよ」

「佐江ちゃん大好き」

「佐江も。」


まだ1週間で慣れないから、ゆきも大変そうだ。

「女の子かわいい子いるの?」

「うん、アイドルみたいなかわいい子もいるよ。」

「別に嫉妬じゃなくて、どんな友達なのかなって」

「まだあんまりわからないんだけどね」


一緒にお風呂入ってるとき、いきなり佐江の後ろに抱きついてきたゆき。

「佐江ちゃんみたいな看護師、私もなれるかな」

「大丈夫。慣れるから、頑張ろう。夜勤以外ならいつでも連絡して。家来てもいいから。」  


いきなり涙を流した。

「ちょっとゆき、泣かないでよ」

「佐江ちゃん優しいこと言うから」

「佐江、ゆきと一緒に働くの楽しみにしてるんだからね」

キスをした。


佐江が寝ようとしたときに、ゆきが

「佐江ちゃんって悩みないの?」

「そりゃああるよ。小さい悩みなんていくらでもね。」

「たとえば?」

「ゆきとお風呂入ると自分の体型が嫌でも見たくない」とかね。

「私胸あってよかったなんて思わないよ。

ジロジロ見られて嫌なこといっぱいあるもん」

「佐江はそれすらないからね」


「佐江ちゃんも悩むんだね」

「そりゃあ悩むよ」


朝、起きたタイミングでちょうど佐江ちゃんが着替えてた。

胸の谷間を必死につくろうとしていた。

下着姿の佐江ちゃんがかわいくて触った。

「ゆき、おさわり禁止」

「いいじゃん。」

「恥ずかしいから。」


「佐江ちゃん、今日私バイトだから終わったら連絡するね」


「わかった」

「今日もお互いに頑張ろうね」

車の中でキスをしてバイバイする。