あっという間に休みは終わりに。

1週間楽しかったな。


柏木ちゃんが楽しんで宮澤家に来てくれてよかった。

ママも可愛いって気に入ってくれたしね。

柏木ちゃんにとって、少しでもママにあえてない寂しさを埋められたらいいけどな。


学校に戻り、また普通の生活が。みんな休み明けだから、テンションもやや低い。


みんなでお風呂に入ったときに、先輩小嶋さんと大島さんから正式にグラビアやらない?って誘われた。


嫌じゃなくて、ただ恥ずかしいって気持ち。

でも、宮澤さんがこの間試しでグラビア撮ったのめっちゃ可愛かったって。


なぜだか宮澤さんに言ってもらえると、頑張ってみようかなってなる。

宮澤さんの家で一緒のベッドで寝ていたせいか、なんか淋しくて一緒に寝ていいですか?って声をかけてみた。


「いいよ。おいで」

宮澤さんが隣で寝てるとなぜか安心した。


そして、グラビアの仕事は正式に始めた。

着替えたりするのは未だに恥ずかしい。

でも、完成されたグラビア写真を宮澤さんに見せたら可愛い、似合うってだきしめてくれてすごく嬉しかった。


と、同時に宮澤さんに対して不思議な感情を覚えた。ドキドキしてるから。

よくわからなくて、でも宮澤さんを目で追ってる自分もいる。ふとしたら、宮澤さんが近寄って「どうした?具合悪い?」

「大丈夫です。」

顔色を伺う宮澤さんの顔が近い。

どうしよう。めっちゃドキドキしてる。


「宮澤さん、大丈夫なんで」

そう言って走った。

なるだけみんなに見つからない場所へ。

レッスンスタジオの前のソファが薄暗くてちょうど1人になるにはよかった。


宮澤さんに対してめっちゃドキドキする気持ち。でも、目で追っている自分。

どうしたらいいんだろう。


泣いていたら、小嶋さんと大島さんが歩いてきた。暗闇デートしていたみたい。

「柏木ちゃん?どうした?泣いてるの?」

「佐江ちゃんは?」

「何?話聞くから。どうした?」


「あの、私宮澤さんと一緒にいてドキドキするんです。目で気づいたら追ってるし。一緒にいたくて、同じベッドで寝ていいか聞いちゃいました。私おかしいんですかね?」

涙が溢れる。


「柏木ちゃん、佐江ちゃんのこと好きになってるんだね。別に悪いことじゃないし、私たちもお互いに好きだから一緒にいる。

佐江ちゃんのどこにドキドキした?」

「めっちゃ優しいところと、あの笑顔です。」

「常に佐江は気にかけてくれるもんね。」

「私、宮澤さんのこと好きになってるのか」

「こんな気持ちって言ってみたら?佐江ちゃんは優しいから拒否もしないし、絶対にそばにいてくれると思うよ」

そんな話をしていたら、宮澤さんがやってきた。

「帰って来ないからどこに行ったのかと思って心配したよ。」

「佐江、柏木ちゃん泣いてるからギューってしてあげな」

「あっ、うん。どうした?」

「大丈夫です。」


「泣いてるじゃん。大丈夫じゃないよね」

ギューってしてくれてるから、ドキドキが止まらない。宮澤さんが好きだ。


言いたくても、好きなんて言えないよ。いくら優しい宮澤さんだって困らせてしまうから。

「泣かないで。佐江そばにいるから。」

ギューってされていた頭の後ろに電気があって押してしまった。

顔を見られてしまう。

「何があった?誰かに嫌がらせされた?」

「なんもないです。」

「それだけ泣いてるんだもん。佐江ほっとけないよ。」

言いたいけど、言えない。でも、宮澤さんの顔が近くて我慢もできない。


思わず、宮澤さんの唇を奪ってしまう。

何してるんだろう。私。

私、宮澤さんにこれで嫌われた。

涙をこぼしながら優子さんの部屋に。

同期のはーちゃんは先に寝ていて。

少し状況を話したら、「今夜は私のベッドで、ねなよ。私は佐江のところ行くね」


「柏木ちゃんにキスをされた。」

びっくりして思考が停止してる。

「柏木ちゃん、号泣してるから私の部屋で休ませるから。佐江は大丈夫?」

「うん。びっくりした。キスされた。」

「どう思った?嬉しかった?」

「嬉しかったよ。でも、そのあとにみた柏木ちゃんの大粒の涙に苦しくなった。」

「キスしてきたんだから、佐江ちゃん、柏木ちゃんの気持ちはわかるよね?」

「うん。」


「あんま間に入る気はないから、あとは2人の問題。

でも、柏木ちゃんからしたら先輩にあんなことしたって気持ちでいっぱいで、しばらく佐江ちゃん避けるかもしれない。許してあげて。」


「別に佐江、嬉しかったのに。」

翌日、柏木ちゃん布団から出なかった。

「宮澤さんに会えない」ってずっと言っているらしい。

ご飯中柏木ちゃんが隣にいないの淋しいなって思う。

むやみに柏木ちゃんのそばにはいかないほうがいいよって言われたけど、やっぱりそばにいたくて。


「柏木ちゃん」

毛布をとり、柏木ちゃんを起こし抱きしめる。

「佐江、嬉しかったよ。柏木ちゃんにキスされて。」

「あんなことしてごめんなさい。」

「キスしてくれたってことは、佐江のこと好きって意味だよね?だから、佐江も」

チュっ。

10秒くらいキスをした。

「えっ?宮澤さん」

「佐江も柏木ちゃんが大好きだから。だからお返しにしたくて。柏木ちゃんが好きだよ」


まさかの展開だった。


「柏木ちゃんからちゃんと聞きたいな」

「私も宮澤さんのことが好きです」

「柏木ちゃん、佐江と付きあってください」

「はい」

よかったって笑顔になる宮澤さん。


今日からは恋人。

ほんとによかった。