佐江ちゃんが咳をしている。

それで目が覚めた。


「佐江ちゃん具合悪い?」

朝4時半。

佐江ちゃんの咳で目が覚めた。

震えていて、完全に熱がある。


でも今してあげれることってタオルで冷やすことくらいしか手元にない。


「今私ができることがこれしかない。佐江ちゃんもうちょい頑張って。あとでスポドリとか色々持ってくるからね。」

「ごめん、由紀」

「いつも私が佐江ちゃんに迷惑かけてるんだから。」


背中をさする。


6時過ぎた頃に、隣の部屋の優子さんに話にいく。

「起こしてすいません。」

「びっくりした。どうした?」

「佐江ちゃんが熱あるんです。まだ朝早いし私じゃどうしようもなくて。」


「柏木ちゃん、とりあえず落ち着こうよ。7時になれば、ご飯だからスポドリとかゼリーとかもらって、佐江ちゃんに食べさせてあげよう」


「はい」

「とりあえず、柏木ちゃんは佐江ちゃんのそばにいてあげな」

「わかりました」


毛布を二重にして、佐江ちゃんをあたためる。

「由紀があんまそばにいたら、うつるしそばにいないほうがいいよ」

「私が体調悪くても佐江ちゃんはいつもこうやってしてくれて、寂しかったから嬉しかった。

私も佐江ちゃんにしてもらったこと以上のことはしたい。」


「ありがとう」

7時になり、先に佐江ちゃんが食べれそうな物を持っていく。ゼリーとおかゆとスポドリ。

後で薬も養護の先生が渡しに来てくれるみたい。


「美味しい」

おかゆを二口くらい食べた佐江ちゃん。

「由紀、ご飯まだなんでしょ?佐江大丈夫だから行ってきな」

「でも、、。」

「大丈夫。ご飯は食べるから。」

「わかった。ごめんね」


由紀が行ったあと体温計測ってびっくり。

38.6℃。

やばいな。

由紀がご飯行って帰ってきたみたいで、顔真っ赤な佐江を見て、先生を呼びに行った。


先生に薬をもらって、佐江は眠る。

「私今日休んじゃだめですか?」

「宮澤さんは出たほうがいいって言うと思うよ」

「でも心配で。」

「先生午前中見てるから、午前中のレッスンたけは受けてきたら?」

「わかりました。」

「あまりにも酷そうなら点滴してもらうから」


佐江ちゃんがいなくてすごく寂しいし、不安だしでもやらなきゃいけなくて。

頑張った。

お昼も食べずに佐江ちゃんの元へ。

部屋に行くと佐江ちゃんいなくて。

しばらくして、帰ってきた。

「佐江ちゃん?」

「熱があがりすぎて、点滴してもらいに病院いってきた。今37℃くらいまで下がったとこ。由紀ごめんね。」

「佐江ちゃん」


泣いちゃった私。

「不安にさせたね。ごめんね。」


「佐江ちゃんに何かしなきゃって思って、テンパってそしたら、優子さんがアドバイスしてくれたんだ。」

「てか、由紀午後授業は?」

「先生がレッスンだけは受けてきなさいって。気になっていられないんだもん。」

「ありがとう」


「由紀お願いがある」

「ん?」

「佐江お風呂入りたいんだけどさ、まだふらつくから湯船は諦めるから、シャワー浴びたいから助けてくれない?」

「もちろん」


まだ万全の体調じゃないし、まだ寒気はしてる。

けど、汗かいて体もかゆい。

先に佐江をシャワーができるように、由紀と優子が助けてくれてシャワーを浴びれた。


体もほとんど由紀が洗ってくれて。

先に寝た。


翌日には熱は完全に下がった。

「佐江ちゃん熱は?」

「もう大丈夫。ありがとうね。」


涙を流した由紀。

「良かった。」

「いっぱい助けてくれてありがとうね。嬉しかったよ」

「ううん。良かった。佐江ちゃん元気になって。」


泣いた由紀をギューって抱きしめた。