朝、佐江が出勤してすぐに由紀ちゃんからナースコールが入る。
「おはよう」
「佐江ちゃん、おはようございます。」
「夜中おしっこしたくなって、でも呼びづらくて、、。」
「今は出る?」
「うん。」
「おむつも変えるね」
蒸れると痒くなるし、急いで準備をする。
先におむつをとり、シートをひいておしっこをする。
「汗かいてるけど、部屋暑かった?」
「少し、喉乾いて水飲んだらトイレ行きたく無って。」
「今下げたからね」
「ありがとうございます」
「汗かいてるから1回着替えようか。体拭こうね。痒くなるから。」
パジャマを脱がして濡れタオルで拭いてくれてる。
「痒いところあったら言ってね」
「佐江ちゃん胸の下が痒くて」
「汗かいてるから痒くなってるね。拭くから。」
脇とか胸の下とかは汗がたまりやすいから、念入りに拭いてくれてる。
「朝から佐江ちゃん、仕事増やしてごめんなさい。」
「大丈夫だから、気にしないで。
由紀ちゃん悪いことしてないんだから。」
全部拭いてくれて、パジャマも着替えさせてくれて。
佐江ちゃんにありがとうってキスをした。
「もうすぐご飯来るから待ってて。」
「はーい。」
ご飯を食べて、体重を測りにいく。
車いすを乗せた由紀ちゃんから車いすの重さを引けば由紀ちゃんの体重が出る。
「43kgだね。ちょっとまた痩せたかな」
顔色もいいし、熱もない。ご飯もほぼ毎回完食。
あまり太らないタイプだから、たまに高カロリー栄養剤を出さないと体重が減る可能性がある。
あと、由紀ちゃんのメンタルがもたない日も全く食べれなくなるからね。
朝は完食、昼は2/3食べれた。
その後お風呂入れるのに、お風呂場で体を洗っていたときに、
「佐江ちゃんって男の子と付きあったことある?」って聞かれた。
「まあ一応あるけど、なんで?」
「ううん、どんな恋愛してたのかなって思って。」
「佐江、男の子っぽかったから告白されたことはないよ。佐江から好きになっただけ。」
そうなんだ。ヤキモチやくのわかるのに、聞いてる私は馬鹿だよなあ。
いきなり佐江ちゃんにキスをした。
「何やいたの?」
「うん。佐江ちゃんが同級生ならみんなに好かれそうだし。」
「友達以上にはならないよ。
由紀の方がモテるはずだよ。かわいいもん」
顔が真っ赤になる。
湯船も浸かって、体を拭いてくれた。
着替えさせてくれようとしていた佐江ちゃんに抱きしめる。
「どうした?」
「ずっと佐江ちゃんがそばにいてほしいなって思って。」
「佐江は、由紀ちゃんが好きだよ」
「私も佐江ちゃんが好き。」
「風邪引いちゃうから、着替えるよ」
「はーい」
着替えて部屋に戻る。
佐江が戻ろうとしたら、また手を掴まれて
「寂しいな」って。
こんなワガママみたいなこと言わないから
「どうした?」
って抱きしめる。
「ずっと隣にいれたらいいのにな」
って小さくボソッと言っていて、涙を流していた。
「いつだって隣りにいるよ」
そう話して由紀ちゃんから離れた。
そのあと、しばらくして部屋を見に行ったら眠っていたから、安心したのかな。
とりあえず眠ってよかった。