芸能界に入りたいそんな思いからできた

学生で、芸能活動ができるスクール。


学業もやりつつ歌やダンス、グラビア、お芝居。

いろんなことができる学校だ。

12歳以上が対象で20歳未満のコが応募できて、

今開設3年目。3期生の応募が可能になっていて、中学卒業組以降は寮生活になっていた。


普通の一般常識な試験と同時に面接もあって、3期生は13人合格した。


私の名は柏木由紀。

中学を卒業するタイミングでこのスクールに入ることを決めた。 

鹿児島の普通の女のコが東京のスクールに入ろうとするなんて稀なことだ。


面接で隣にいた、1つ歳上の片山陽加ちゃんってコと仲良くなった。

受かった1週間後、中学を卒業は決まっていたタイミングで東京へ上京して、

スクールの説明、オリエンテーション的なことと学業の話と、15歳以上は寮生活の話をされた。


寮生活に当てはまるコって少なくて。

「仲良くなろうね」っていいあった。


とりあえずスクール寮の先輩たちにまずは挨拶にいく。1期生2期生10数人はいて、スクールのリーダー、私と同い年の高橋みなみさんにまずは挨拶して、1期生の先輩たちに挨拶して、2期生の先輩にも挨拶をする。

その後たかみなさんが、「今日から寮の部屋割はこれで」って紙を廊下に貼り、私は78って書いてある部屋に入る。

「えっと3期生のコだよね?」

「柏木由紀です。よろしくお願いします。」

「2期生の宮澤佐江です。年齢は?」

「15歳です。もうすぐ中学卒業です。」

「1歳違いなんだね。よろしくね。」


握手をした。

これが、宮澤さんとの出会いだった。


「柏木ちゃんのベットと机だよ。」

「ありがとうございます。」

「色々ルールはあるけどさ、同じ部屋になったのも縁だし仲良くやろうね。よろしく」

「こちらこそ、色々ご迷惑かけるかもしれません。お願いします。」



ダンスレッスン用のジャージと、靴は購入済で、平日の14時までは3期までが分かれてダンス、歌、演技の時間。

それ以降は学業に専念ってカリキュラムになっていた。


ダンスだけはレベルが差が開くため同期同士のレッスンで、歌と演技は先生たちの試験でグループ分けをすることに。


一人一人順番にボーカル審査と演技審査を受けて3グループ分けをした。

グループ分けの通知をメールでもらい、宮澤さんと同じグループだった。

「一緒だね。」

「お願いします。」

ご飯やお風呂も部屋同士なるだけペアで動いてって指示があり、宮澤さんと一緒にいた。

宮澤さん、先輩からも同期からもすごく慕われている。

「佐江、明日から一緒だね。よろしく」

「あー優子よろしく!」

大島優子さん。同期はーちゃんと同室。

「柏木由紀ちゃん。佐江と同室。」

「柏木ちゃん、よろしくね。」

「お願いします。」


はーちゃんもいれて4人でご飯を食べた。

そして、お風呂。

みんな先輩、後輩関係なく同じ時間に入らなきゃいけないから、私たちは緊張していた。

「毎日なんだから、慣れるよ」

って大島先輩は裸になって、はしゃいでたけど、

私らは1日目でそんなわけにいかない。

「恥ずかしいよね。佐江だって恥ずかしいもん」


「はい。」

服を脱ぎ体を隠す。

宮澤さんの隣で体を洗っていたらいきなり胸を後ろから触られた。

「柏木ちゃん、おっぱいでかいね」

「やめてください。恥ずかしいです。」

「柏木ちゃん、ごめんね。優子変態だから。

優子も初日で可哀想だよ」

「だって可愛くてスタイルいい子が好きなんだもん。おっぱいあったから興奮した。」

「柏木ちゃん、これ毎日あるあるだから慣れてね」


「えっ!」

はーちゃんもやられてたし、他の同期も触られてた。

「佐江だって、柏木ちゃんのおっぱい興味あったでしょうに。」

「可哀想だから見ないようにしてたのに。やめろよ。」


放心状態の柏木ちゃんに声をかけて、背中を洗ってあげる。

「湯船入ろう」

びっくりして固まっていたら、他の先輩が話しかけてくれた。

「柏木ちゃんは、どこから来たの?出身は?」

「鹿児島です。」

「九州からすごいね」

「何歳?」

「中学卒業もうすぐします。」

「そうなんだ。」

1期生、たかみなさん、前田さん、板野さん。

同い年だった。

「私ら柏木ちゃんとタメだよ。よろしくね」

「お願いします。」


宮澤さんも入ってきて、

「柏木ちゃん緊張してるよね?」

「はい。」

「毎日いたらそのうち嫌でも慣れるよ。

佐江も去年お風呂は恥ずかしくてなかなか慣れなかったけど、毎日入ってたらさすがに慣れた。」


「そうなんですか。」


お風呂から出て着替える。

洗濯は自分たちでする。

だいたいは後輩が先輩の洗濯物も洗って干すんだけどね。

優しい先輩は逆にやってる人もいる。

朝後輩は6時半起床。7時までには全員起きる。その流れ。


21時半には消灯のため、ベットに入る。

「明日から頑張ろうね。おやすみ」

「おやすみなさい。」


当たり前だけど、来た初日で寝れるわけもなく宮澤さんに迷惑かけないように寝返りをしていた。

すると、いきなり電気がつき、

「柏木ちゃん寝れない?布団の音がしたから。」

「すいません。煩かったですか?緊張していて寝れなくて。」

「一緒に寝ようか?おいで」

宮澤さんがギューってしてくれて、しかも宮澤さんなんかいい匂いがしてぐっすり眠れた。


ピピピ

6時半。目覚ましの音。

「柏木ちゃん、おはよう。寝れた?」

「はい。おはようございます。お陰様で寝れました。」


「洗濯しに行こうか」

「はい。」


10台しかない洗濯機は早いものがちで、戦争になる。

まだ誰もいなかった。

「使うときは部屋番号を必ず洗濯機の上に貼ってから出る。じゃないと間違えるから。

で、洗剤はあるから一杯って決まりだから守ってね」


「はい、ありがとうございます。」

寮から学校までジャージで行く。

その前に朝ごはん。


「柏木ちゃん、寝れた?」

食堂でたかみなさんに話しかけられた。

「最初寝れなくて、そしたら宮澤さんが一緒に寝てくださって安心して寝れました。」


「それは良かった。」

ご飯を食べ終えて、先に部屋干しで洗濯物を干してからレッスンへ。

ダンスは同期しかいないから、久々にちょっとリラックスした時間。

「大島さんと部屋どう?」

「めっちゃ寝てるときもなんか元気だった。独り言言ってたから。ゆきりんは?」

「最初寝れなくて、宮澤さんが一緒に寝ようって。だからぐっすり寝れた。」


「宮澤さん、めっちゃ優しいよね。」

そんな話をしていて、ダンスレッスンは始めてだから、基礎のみを2時間して。

そのあと、合同のボーカルと演技レッスン。

ボーカルレッスンは初日から二人組を作って、歌を歌った。


そこでのペアは大島優子さん。

緊張したけど、大島さんの顔を見ていたら声質が似ていたから歌いやすくて。

「柏木さんいいね。今日初日とは思えない」

「ありがとうございます」


うまくレッスンは充実していて、お昼ご飯をたべて。


学生組な授業。

鹿児島の中学は卒業式のみ参加はするけど、もうこちらの生徒。

高校の授業も今日からスタートした。 

高校の授業は先輩後輩入った時期がバラバラのため、学年にあわせての授業。

同期は仲川遥香ちゃん、仲谷明香ちゃんがいて、先輩にたかみなさん、前田さん、板野さん、河西さん、増田さんがいた。


レッスンもしながら学業も頑張らなきゃいけないから、かなり大変だけど。

頑張るしか無いよね。


しかも、通信制に近いからレポートがメイン。勉強は大変だ。



「柏木ちゃん大丈夫疲れた?」

宮澤さんって呼ぶのがやっとな私に、宮澤さんはすぐに気にかけてくれる。

「学校が初日だったから、気疲れで。」

「1日お疲れ様。」


ギューってしてくれる。

「今日はゆっくり寝れるといいね」


「はい。」

ご飯を食べてお風呂に入る。

洗ってると、また近づいてきて

「柏木ちゃん何カップ?」

「優子あっち言ってな。」

「優子可愛い女のコが大好きでさ、1期生の小嶋陽菜さんに何回も告白してるんだよ。さっきも聞こえてたでしょ?好きって。」

「あっ、はい。」

「100回くらいは告白してるだろうけど、振られてるね。まあ虚しく。」

「残念ですね。」


体を洗って湯船に浸かろうとしたら、また後ろから優子さんの手が。

「柏木ちゃんCカップくらい?」

「おーあるね」

ってみんなが。

「やめてください」


たしかに、ブラもデカかったし胸はあるのはわかった。が、宮澤さんって呼ぶのもやっとくらいな柏木ちゃんにそんなことしたら可哀想だよと、優子に説教する。

「ごめん、柏木ちゃん」

「大丈夫です。」


着替えて部屋に戻り色々今日の復習したらすぐ消灯時間に。

「柏木ちゃん寝れる?一緒に寝る?」

「できたら一緒に寝たいです。」

「いいよ。」

宮澤さんが抱きしめてくれるように寝る。

安心してすぐに眠れた。


宮澤さんの方が寝れなかったのか音がした。

「寝れなかったですか?」

「ごめん。起こした?考え事しちゃっただけ。夜中にすぐ考え事しちゃうから。」

「わかります。」


しばらくして、宮澤さんの寝息が聞こえた。