佐江ちゃんが委員会でこの日は一緒に帰れないからってあっちゃんやたかみなちゃんと途中まで帰って、1人になったときだった。


男子高校生3人組に声をかけられた。

「君、秋葉中高1貫のコだよね?」

「はい」

「可愛いね。何年生?」

「中3です。」

「彼氏いる?」

「いないです」

ってやりとりしていたら、いきなり身体を触られた。


怖くて悲鳴もあげれず、下着の中に手がはいっていたけど、叫べなくて。

空き家が多い場所だから、誰も気づかれないし佐江ちゃんって頭の中で何回も叫んだ。



泣きながら佐江ちゃんに電話をした。

「佐江ちゃん涙」

「由紀、泣いてる?どうした?どこにいるの?」


場所を話して佐江ちゃん大至急走ってきてくれた。

私が佐江ちゃんを見つけて抱きついてワンワン泣いていたから、何も聞かずに抱きしめてくれた。


しばらく泣いて落ち着いたころ

「何があったか話せる?」

「前から男子高校生3人に声をかけられたの。可愛いね。彼氏いる?って。いないって言ったらいきなり身体を触られたの。下着の中に手がはいってきた。怖くて声も出せなくて。佐江ちゃん、助けてって声出したかったのに。」


「佐江が一緒にいれたら。由紀ごめんね。」

「佐江ちゃんが悪いんじゃないもん」


とりあえず私の家に帰る。

パートが早く終わったお母さんもいて、この話をした。

「佐江がそばにいてあげたら」

「佐江ちゃんが悪いことしてないんだから謝らないで。」

「由紀、それ以上はされてないのね?」

「うん。」

「警察に話にいこうか?」

ってお母さんは言うけどさすがにそこまではいいや。


佐江ちゃんとわかれてから、声出せてれば変わったかな?とか反省ばかり。


翌日、制服見ただけで思い出して怖くて着れず学校は休むことに。

由紀のお母さんから電話があった。


「佐江ちゃんごめんね。由紀今日学校行きたくないって言ってるかは休ませるね」

「わかりました」


学校終わり、佐江は急いで由紀の家へ。

「佐江ちゃん」

「由紀、明日は学校行けそう?」

「佐江ちゃんが迎えに来てくれる?1人になるの怖いんだ」


涙をこぼす由紀。

「迎えに来るよ。」

「ありがとう」


お母さんが帰ってくるまで佐江ちゃんはいてくれて。

「あっ、佐江ちゃん来てくれたの?ありがとうね」

「いえ、心配だったので。明日は由紀を迎えに朝来ますね」


「ありがとう。気をつけて帰ってね」

「はい、お邪魔しました」


翌朝、制服を着た。怖かったけど、佐江ちゃんが来てくれるって約束したから。

「由紀大丈夫?学校いける?」

「佐江ちゃんがいてくれるから、大丈夫」


佐江ちゃんが来てくれた。

「おはようございます。」

「佐江ちゃん、方向違うのにありがとう」

「由紀が学校にいないのさみしいから。」


「佐江ちゃんありがとうね。由紀のことお願いします。」

「はい」

「行ってきます」


佐江ちゃんが手を繋いでいてくれたから、学校に行けた。