神田の水をうるおす裂田の溝。

水が流れるようにするためには、川から川へと繋ぐ水路を造り、堰で水かさをあげなければいけない。

 

★目次

☆1 一の堰から那珂川

☆2 彼女は裂田の溝を造ったか


 

  一の堰から那珂川

裂田溝(さくたのうなで)とは、どのようなものなのか。

今まで何度か触れたが、今一度記載。

 

前回にも書いたが、水路が使えるようにするには、堰を造り、川の水かさを上げて取り込む必要がある。

 

伏見神社の前に一の堰があった。

 

改修されて、今は水面に頭しか見えないが、どんな大雨でも壊れない西日本一の堰と謳われていた。

 

下の図1の1 一の堰(一の井出)。

 

(図1 地図はYAMAP)

 

一の井出の案内板。

 

案内板。

改修前の姿が載っている。

 

那珂川に対して斜めに築かれていた。

川底の固めた手法は、出雲のたたらと同じだったらしい。

 

これを作るだけでも、かなりの年月を要するだろう。

うなでを完成させた後に、これを造ったのだ。
(堰が先だと水が流れ込んでくる)

 

ここからうなでが始まる。

 

図1の1 一の堰の側

 

図1の2辺り 

 

汲み場(くんば)があり、生活に使われていた。

 

図1の3 裂田公園の近く。

 

ここにあるのが神功皇后の御立台。

 

 

石に立って指揮をしていたとある。

元は田んぼの中に埋もれていたそうだ。

 

図1の4から見た 安徳台。

 

見えにくいが、右側にある林が裂田神社。

その向こうに件の固い岩盤がある。

 

安徳台は、武内宿禰が祈ると雷が轟いたことから、迹驚岡(とどろきのおか)と言われている。*前回の記事

彼は高良神。

建御雷神と同神になる。

 

図1の5 裂田神社

 

この社は、彼等がうなでを造ったことの重大な根拠になるもの。

土地の人は、造った者を祀るのだ。

 

感謝を込めて、永遠にその想いを忘れないように。

これ以上の理由はない。

間違いなく、彼等であった。

 

違うならば、祀ったりはしないだろう。

 

図1の6 安徳台近くの裂田溝。(振り返って撮っている)

整備されていて、いいお散歩コースになっている。

 

図2の8 分岐 

 

左手の水路は安徳台を回り込んで那珂川に注ぐ、図2の1のコース。

右手奥は、図2の2や3へ。

 

(図2 裂田の溝・北部分)

 

このうなでを完成させた後の、一の堰の工事。

(上のいずれかは分からない)

 

これら一連のことをすべて完成させて、初めてうなでは「神田に水をうるおす役に立つ」ものとなる。

途中で投げだしたりしないだろう。

 

  彼女は裂田溝を造ったか

 

彼等がこの工事をした。

その根拠が三つある。

 

☆1 彼らは水利工事の技術があった。

☆2 「日本書記」がわざわざ記している。

☆3 裂田神社の祭神が神功皇后。

   現人神社の神が住吉神。

 

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☆1 彼らは水利工事の技術があった。

 

住吉神は高良神であった。

彼は物部の祖神の饒速日命。

三輪の大物主神だ。


古代奈良湖の水を引いたのは、その三輪の神であった。

 

長尾神社の伝承の「三社は一体の龍」から、

三輪神、天照大神、豊玉彦

豊受大神、御炊屋姫(御炊社)、豊玉姫などは同神と繋がった。

 

神話の山幸彦(豊玉彦)が示唆する者も彼であった。

水利工事は、高良神が持つ干珠満珠の力の象徴でもある。

 

 

☆2 「日本書紀」がわざわざ記している。

 

幾つもの矛盾が生じることになっても紀に載せるのは、それが外せないことであったからだ。

またその矛盾から、真実に繋がるようになっている。

 


その視点で見ると、紀はなるべく、彼等の事実を様々な角度から拾い上げようと努力している。

 

 

 

☆3 裂田神社の祭神が神功皇后。

   現人神社の神が住吉神。

 

さらに、裂田神社に祀られているのは神功皇后。

 

彼等がこの偉業を成し遂げた。

彼等がいなければできなかった。

 

だからこそ、この地に彼らが祀られている。

他の誰でもない。

 

住吉の神は高良神であり、武内宿禰。

后の神功皇后は宗像神。

彼等は、筑紫の神であった。

 

饒速日命であり、御炊屋姫。

二柱の天照。

 

住吉神と言う「神代の神」は、実在した彼なのだ。

 

彼等がこの地に存在し、裂田溝を造ったのだ。

 

 

5か月という短期ではなく、彼等は腰をすえて、うなでを完成させたことであろう。

 

だからこそ、この地が「神の地、神話の舞台」として残されることになった。

 

神が降臨した地。

それが那珂川である。

 

 

( つづく )

 

 

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