神話はすべて彼らの物語。
神話と神社の伝承、その双輪で神は解かれる。
彼は高良神であり、神功皇后と夫婦であった。
★前回の記事
★目次
☆1 ウガヤフキアエズ命と高良神
☆2 ウガヤフキアエズ命と山幸彦
☆3 山幸彦は、火、日の神
ウガヤフキアエズ命と高良神
前回の山幸彦(火火出見命・ほほでみのみこと)と豊玉姫から生まれたのが、ウガヤフキアエズ命。
筑後国一之宮の高良大社に伝わる「高良玉垂宮神秘書」には、ウガヤフキアエズ命は住吉大明神とある。
その御子が住吉三柱。
高良大社
長男、表筒男神*豊姫(神功皇后の妹)と夫婦に
次男、中筒男神*神武天皇
三男、底筒男神*神功皇后と夫婦になる。
神功皇后の祈りにより、四王寺山の上空から現れる。
次男はこの国に留まり、神武天皇と現れ天皇の初めとなる
父の住吉大明神は、すぐに虚空に戻る。
神功皇后の副将になったのは、表筒男神と底筒男神。
(「高良玉垂宮神秘書」より要約)
しかし、表筒男神の后の豊姫は、高良大社の本殿に合祀されている。
高良神は底筒男神であり、神功皇后が后だ。
ならば、豊姫が神功皇后となる。
后以外なら、それを差し置いて共に祀れないのだ。
よって、住吉三神も同神。
神話でもイザナギ神から同時に現れていた。
父とされるウガヤフキアエズ命も然り。
神武天皇も「住吉三神」の一柱だ。
彼もまた、高良神であり、饒速日命自身なのである。
ウガヤフキアエズ命と山幸彦
神話ではウガヤフキアエズ命の父は、山幸彦である。
山幸彦は、三兄弟であった。
火闌降尊(ほすそりのみこと)*火酢芹命*海幸彦
彦火火出見尊*山幸彦
火明命。
「古事記」では、火照命、火須勢理命、火遠命。
つまり。(図1)
親*忍穂耳命と栲幡千千姫(たくはたちぢひめ)
子*ニニギ命
(「先代旧事本紀」兄*火明命=饒速日命)
↓
親*大国主神(大物主神)の国譲り
娘*姫蹈鞴五十鈴媛
↓
親*ニニギ命とコノハナサクヤ姫
子*火闌降尊、彦火火出見尊(山幸彦)
火明命
↓
親*彦火火出見尊(山幸彦)と豊玉姫
子*ウガヤフキアエズ命
↓
ウガヤフキアエズ命と玉依姫(豊玉姫の妹)
神武天皇(彦火火出見尊)、彦五瀬命、三毛入野命
しかし、日本書紀の一書(あるふみ)には天火明命は、ニニギ命の兄となっている。
(「先代旧事本紀」も)
つまり、上の火明命にしてみれば、祖父の位置。
また、神武天皇は彦火火出見尊であり、その祖父の山幸彦も同じ名。
継承したとも言えるが、前回の山幸彦と豊玉姫の話は、高良神と神功皇后の伝承が元であった。
さらに(前回も記したが)神武天皇の后は、姫蹈鞴五十鈴媛(ひめたたらいずずひめ)。
大物主神の娘である。
彼からすると、祖父の位置。
あり得ないのである。
記紀のどちらかを信じるかだけでも親等は変わる。
そこに真実は元からない。
すべて、二柱の神なのだから。
もう一つ。
青文字は全て同神。
八咫烏=鴨神=饒速日命。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240329/15/153535769/fb/28/p/o0883104415418843337.png?caw=800)
山幸彦は、火、日の神
三兄弟には皆、火の名が付く。
「火を放った産屋の中で生まれたから」とされているが、神話は全て「暗喩」になる。
「火」は、関わる者(生まれてくる者)が火=日の神であることを示唆。
彼は籠神社の天火明命であり、饒速日命=天照だ。
まさに、火と日の神なのだ。
( つづく )
*参考
岩波文庫「日本書紀」
角川文庫「古事記」中村啓信 著
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小分けなので分かりやすいかもです
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