続きです。
高校を卒業した春のこと。
その頃、「ムー」のような雑誌を無性に見たくなった。
しかも、その”投稿欄”のみ。
その頃のオカルト関係の雑誌には、「前世の仲間募集」の投稿をしている人がたくさんいた。
日渡早紀さんの漫画「ぼくの地球を守って」に影響されてのことだと思う。
漫画の主人公達は、自分達が見ていた夢が同じ内容だと知り、前世だと思う。
そして、他の「前世の仲間」を集める為に、オカルト雑誌に投稿する。
その漫画は、私が夢を見始めた少し後から、雑誌「花とゆめ」に連載されていた。
とってもファンだったのだけど、自分が見ていた夢が「前世」だと少しも思わなかった。
夜毎、別の世界に行っていると思っていたのだから。
だから、その春までその手の雑誌に触れたこともなかった。
手当たり次第に手に取って、一ヶ月目。
それを見つけた。
内容はそのまま。障りがあるのでサイト名載せられません)
「前世の仲間を探しています。
(夢の内容が書いてあって)別の星にいました。
瑠蘭、竜厘、希境、卑弥果を探しています。
私たちは、孔樹、沙霧、桜花林、です」
夢の内容はまったく思い当たらなかったけど、「別の星」と「竜」という文字に引かれた。
なぜか、この人たちとコンタクトを取らないといけない。
そう、強烈に思った。
自分の「洞窟の夢(何故か、別の星の方でなく)」の内容を手紙に書いた。
そして、そのような夢を見たという「リュウ」という人から連絡があったら、教えてくださいと。
.
まもなく、返事が来る。
「私は、”その洞窟の夢”のような世界を見たかもしれない」
とあった。
何度か手紙のやり取りをしていく内に、自分の夢と同じものがあることに気がついた。
その雑誌の前世についての内容は、適当に書いたものだと後から聞いた。
何か書かないといけないと思ったからだそう。
「本当」は名前だけ。
・・・それでよく、繋がったものだと思う。
その「別の星の夢」。
どうやら、私は仲間の一人らしいということになった。
私は、<卑弥果>
その名を、「彼女達が見た夢」から聞いた。
*
彼女達は、夢から多くの情報を受け取っていた。
漢字の名前の他に、みな「コードネーム」があった。
「リュウ、サラ」はその中にある。
私のコードネームは<ミサ>という。
(彼女達が手紙に書いてくれた名前の<漢字>は、
微妙に違っていた。
日本の旧字体でもなく、中国のそれでもなく。
でも、この漢字を表すのだろうというのは分かった)
その星には唯一の宗教(?)があった。
その神は「実在」していた。
私達のような能力を「妖力(ようりき)」といった。
妖力を持ったものの中には、宗教?神?の紋章である「リヴィ」が、体のどこかにつくことがあった。
(なんで、日本語っぽい言葉と洋風っぽい言葉が混ざってるねんと思ったあなた、私もそう思う。
ちなみに、この痣(というより印)を持つ者を、リヴ・ジェスターという。
ジェスターは、神に仕える者か、神の代理者の意味が近いよう。
・・・と私は解釈している。
能力があるものすべてについてるわけではないようで。)
妖力は珍しいものではなく、その力で「仕事」をしている人もいたらしい。
(金銭をもらってたのかは分からない)
私達のような依頼をされて仕事をこなす「集団」も、他にいたよう。
(あの夢の「仕事」はこれだったのかと納得した)
その人達の特に能力の強い人達は、漢字の名前が与えられていた。
その名前は、すべて「日本語読み」
(普段の言葉は分からない。今と違うのならば、頭の中で翻訳してたのかも)
私が夢を見なくなってから、この頃に一度だけ見た「別の星の夢」の中で、その理由を聞くことになる。
*
その「別の星の夢」で、私とリュウがいた。
”私”は自分自身のことを”卑弥果”。
隣りにいる人を”竜厘”だと認識していた。
「希境」という人に初めて会う場面だった。
夢の自分を把握したからか、この時は誰が誰かはっきりと分かった。
希境は、彼自身が描いたと思われる似顔絵を私たち(卑弥果と竜厘)に見せた。
そこには、7人の人物。
「これで、”前世の7人”がそろったのね」と私。
前世の7人とは、もちろん”その世界の7人の前世”だ。
彼女達は、何度も一緒に転生しているらしい。
そして、その度に出会う。
私の中の”卑弥果”は、夢を見ている私に言った。
<< この星は地球を知っている。
日本という国を知っている。
そして、能力を持った人達の多くが、
次に日本に転生することを知っている >>
(古代奈良の夢 4 に続く)