鉛とモリブデン鉱床の酸化帯に二次鉱物として産出

モリブデンは産業に必要な元素であり、人体にも必要なミネラル

硬度2.5−3


メキシコ チワワ州産
購入/第37回東京国際ミネラルフェア

鉱物結晶の、正四面体の三角形、立方体、四角板状に六角板状など、まるで人工物のような形にもう驚きはしないけれど、やっぱり不思議だ。
なぜ研磨されたように輝き、エメラルドカットまで施されて、地中から出て来るのか。
ウルフェナイトは硬度が低いため、美しくても宝石にはなれない。
わざわざ人がカットしてルースにすることはあまりないはず。
地中に職人さんがいるに違いない。

〈裏側〉
くっついている白い鉱物はカルサイト、下部にはミメタイト。
画像ではわかりにくいがミニサイズのウルフェナイトも裏側にくっついている。


昨年12月、東京ミネラルショーで初めて見て知って以来、頭の隅から離れなかった鉱物だ。
その時見たのはオレンジ色に輝く、板状結晶のクラスターであった。
産出した時すでに宝石の状態であるとは!
それがこちら
許可を得て展示品を撮影

一瞬、やって(買って)しまえ!の心の声を聞く。
たが危うく踏みとどまる。
翌日も、このウルフェナイトのことが頭を占めている。
ミネラルショーはまだ開催しているから、この子を迎えに再び行こうか。
いいえ、私の欲しい色はイエローなんだ。
なぜイエローかというと、我がミニミニ博物館にはイエローの石がほとんどない。
だからバランス的に必要なのだ。

その後、光沢はないけれどイエロー系で、サンドウィッチのような形状の物やチーズのような形状の物もあることを知る。
この、「食べ物に似ている」石に弱い。

ネット上を探し続けるもののサンドウィッチもチーズもない。
近い物があったとしても母岩にたくさんくっつき過ぎて、標本としても大き過ぎてミニミニ博物館には所蔵できない。

やはり大きな展示即売会に行くしかないと心得た。
季節は5月。
決戦の場は「浅草石フリマ」、「東京国際ミネラルフェア」と決まる。

浅草では、このところ意識に上って来たモルダバイトも同時に探した。
会場の3フロアを歩き回った末、手ぶらで帰宅。
近くの浅草寺にも寄らずに。

勝負は新宿に持ち越された。
気持ちが前のめりになっているのもあって、夥しい石を見ると目が滑ってしまい、肝心な物を見逃すのがいつもの癖だ。
ミネラルフェアには注意力の優れた友人に同行してもらう。

会場である住友三角広場の、三角の輪郭から攻める。
早くも、展示のある3軒目で見つけたのがこの子だった。
色、形状、サイズ、価格、すべて⭕
でも三角の内側の200近い出店をまだ見ていない。
とりあえずキープしてもらう。

「ウルフェナイトのイエロー」、「モルダバイトのモスグリーン」だけを唱えながら見て回る。
今回は私の付添いと目の保養が目的だったはずの友人だが、欲しかったルースや石を見つけて、先に3点も購入してるではないか。
まったくここは誘惑と欲望が絡み合う魔界だ。

いつも感じることだけれど、結局は最初に良いと思った物に決まるのだ。
目的の石を両方ともゲットできた安堵感から他の石をひやかして回る余裕が生まれる。
これが楽しい。
そして、このような石のイベントが終わった後、私が必ず言うお決まりの言葉。
「もー買わない😤」
周囲の者たちは、
「あーはいはい🥱」

【つけたし】
どこかのYouTuberさん、この日の私と友人が写ってます。
見知らぬ人は顔にボカシかけて動画UPして欲しかったな〜(まあいいけど🤗)