胸がいっぱいになる話・・・No1 | ☆天然系あやのさぷり☆

胸がいっぱいになる話・・・No1

『おばあちゃんの涙』
                    熊本県人吉市 柳瀬 祐加里さん(23)

八十歳前後のおばあちゃんが、毎月、私共の銀行へ来店され、住宅公庫のご入金をなされるのですが、月日が経つにつれてだんだんと記憶力が低下され、一分前に自分が入金なさったこと、領収証をどこへやったかすら、忘れてしまうようになりました。
 一時間近くかかって男子行員が説明していたようですが、まったくおわかりにならず、とうとうそのおばあちゃんに大声をあげてしまいました。
 そこへある営業行員が戻ってきてその内容を聞くと、二十センチ四方の紙に、本日の入金金額と残高を記入し、ピンクと黄色の目立つ蛍光ペンで色分けをし、おばあちゃんに差し出しました。
「バッグの一番前へ入れておくからね。次からはこのバッグを持ってきてね」と優しくかんで含めるようにいいながら。おばあちゃんの目から大粒の涙がこぼれ「自分でした事を覚えていないなんてなさけないねぇ。でもここへ今度来る時は、このバッグを必ず持ってきますから」
 何度も何度もお辞儀をしながら…。私はこの光景を見て、その営業行員の尊敬の念をいだいたのです。