最近、おれはやさぐれたい。
だんだん寒くなるこの季節、
おれの気持ちがケバ立ってくる。
新聞を読む飼い主(夫)の
邪魔をしてやるぞ。
上るなと言われている
キッチンカウンターの上だって
こらあ!飼い主、
なんか文句あんのか?
文句があるなら、表に出ろ!
話をつけてやるぞ。
いや、表はやめておこう。
二度と外では暮らしたくない。
おれがやさぐれたいのは、
野良子猫時代の厳しかった冬を
忘れたくないからだ。
もう一度あの路地に
放り出されても
生きていけるように・・・
今のおれの毎日はこんなんだ。
ぬくぬくな部屋とおひさま、
新鮮なご飯と水、
こたつと飼い主のひざの上。
いや、やっぱり無理だな、
もうあの路地では生きていけない。
なあ、飼い主(夫)、
おれはやさぐれるのをやめて、
性悪な猫又を目指すことにした。
長生きをすると、シッポが2本になり
自在に妖術を使えるようになる。
そうしたら、お前たちに
なんでもしてあげられるぞ。
それまで、ずっと一緒だからな。
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お気に召していただけたら、
よろしくお願いするでござるにゃ。