夢の星12 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

また庭に戻ると分別を始めた。

老人は友人の顔を覗いた。
「さっきからやたら酒ビンやビールの缶が出てくるけど、
   ノイローゼになってるのか?」

友人
「おら、酒なんか、」

山野
「え?
      ちょっと待った。
     さっきの野郎のゴミ袋。」
投げ込まれた袋を開ける。

老人
「こりゃ、ビールの銘柄がおんなじだ。
    ここのゴミはあいつが。」

友人
「おらもおかしいと思ってたけど、
    気がつかなかったなぁ、情けねぇ。」
頭を掻く。

そこへクラクションが鳴る。
【ファーーーーン】

アニキとやらの車だろう。
嫌がらせに来たようだ。

老人
「出るこたぁないよ。」

山野
「はい、そうですね。」

【ファーーーーン】
【ファーーーーン】

さらにうるさくなるクラクション。

「ジジイ出てこいっ!」
「ただじゃすまねーぞこらっ。」
塀の外で怒鳴っているのはさっきの野郎だ。

アニキを呼んだ以上只では帰せなくて必死だろう。

山野は塀の外の野郎の位置の見当を付けた。

「こりゃ返品だ。」
酒ビンを詰めた袋を投げ返した。


【ガシャ】
袋は地面に落ちたようだ。

「イテェ、前歯が折れた。
      慰謝料払えこらぁ。」
ハッキリとしゃべっているから、それはないだろう。