曇天の空だと思っていたものが、
コンクリートの天井とわかった。
グラウンドじゃない。
倉庫。いやコンクリートのゴミ箱の中だ。
クリーンキーパー
横文字にしたところで憧れる者はいない。
要は、ここのゴミの分別員だ。
マイクロプラスチック問題頃からゴミの規制が厳しくなった。
何でもかんでもプラスチックは悪者だ。
だからプラスチックが含まれる物はまずここにぶちこまれる。
ここからプラスチック 以外の物を回収する係だ。
当初、プラスチック反対運動のメンバーがチマチマとボランティアで始めたことだが、ここまで大掛かりにやらないと結果は出ない。
ボランティアもお手上げになると、
分離屋なる業者を立ち上げる者が現れた。
高時給のバイトで貧困な人が飛び付いた。
分離屋で働いているなんて聞こえが悪い。
それからクリーンキーパーなんてカッコつけてみたが、時給の元が取れなくなった業者は、金属を盗んでは、それを成果として政府に報告しはじめた。
その悪徳業者が刑務所にぶちこまれると、そのスキルを買われた。
それからは受刑者の刑務作業となる。
ここは気楽な刑務所。
何もしなくても飯は出るし、夜は寝られる。
と看守は言う。
それなら何にもせずに時間を潰そうと考えた。