誰かの声。
「監督ぅ、朝っすよ。」
これもスタッフの声だ。
「あ、監督。
昨日寝るの遅かったんすよ。」
カメラマン亀田。
「え?なんか構想でも練ってたんだろうか?」
スタッフ
「いや、便所掃除してたぞ。」
亀田
「便所掃除?」
スタッフ全員。
「ぅ、あ、夢か。」
監督が起き上がる。
「あ、監督。
おはようございます。
え、なんで三脚が監督の布団に?」
亀田
「あ、足。
ここにあったぞ。」
スタッフ
「あ、足ってこれか。三脚のことだったのか。
いや、恐ろしい夢を見てしまったよ。」
監督
「恐ろしい夢?ですか?」
亀田
「料理人が俺たちを料理して、夕食に出すってゆう最悪な夢。
俺、汗かいてるわ。」
監督は浴衣をパタパタして扇ぐ。
「あはは、原因はあれですよ。
昨日のヤマメ。
山女って読んだから、それで。」
スタッフ
「はぁ、それでだ。
納得。
全部夢だったんだ。」
監督
「ところでなんで夜中に便所掃除を?」
亀田
「え?
そこ、夢じゃないの?」
監督