RIVER KID14 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

《ガサガサ》
      
     《ガサガサ》


「き、来やがったか?」
監督は、布団の中の三脚を握りしめる。
布団をはいで、反動をつけて起き上がると、入り口に三脚の先を向けた。

ここで悩んだ。

料理人が入り口を開けた瞬間に飛びかかるか、

それとも皆を起こして、避難、あるいは加勢させるか。

体は入り口に向けて、右足の爪先を隣の音声スタッフの布団の膨らみに擦り寄せた。

「あれー」
誰かの声だ。

「どうしたっ?」
監督

「足が無い!」

その声の方を向くと、一人のスタッフが膝から下が斬られていた。


監督の血の気が引く。
「うそ、だ。」
もう    ここに、あいつがいる。

三脚を振り回し、布団の膨らみをはがして行く監督。

「皆、逃げろ、早くロケバスへ走れ。」
監督


「こっちも無いよ。足。」
また声がした。

「えぇっ!
       俺たちを動けなくして、
    それから・・・・」
監督は夢中で三脚を振る。