RIVER KID16 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

監督は布団の上にバッと立ち、
「きょ、今日のロケは中止にしないか?」
と、切り出した。

「監督ぅ、なんか理由でも?」
カメラマン亀田は三脚を片付けながら聞く。

「監督、タレントさんと先生が駅に着く頃です。
    そろそろ迎えに行かないとですよ。」
若いスタッフ

「そうなんだが、今度の案件。
     SNS情報に飛び付いて来てしまったが、デマのような気がしてならないんだ。」
監督

「ですから、それを確かめるロケです。
  
仕込みでも、ヤラセでもない、
    それが人気の
【探Qナイト】じゃないですか。」
スタッフ。

「そうだけど、
     なんか恐ろしい予感がするんだよ。
   このまま帰れなくなりそうな。」
監督はまた布団にあぐらをかく。

「嫌な予感。
    いいっすねぇ、いいっすねぇ。
   最近、空振りばかりで視聴者に飽きられてんですよ。
   すっかり経費も絞られて、こんなボロ宿に・・」
亀田が部屋を見渡す。

「そ、そうか。
    そうだよな。
    俺たち、化け物撮りに来てるだもの、嫌な予感が当たる方がいいのかもな。」

監督は、これ以上 料理人の話はせずに、
撮影だけして早く引き上げようにした。