RIVER KID6 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「おや、お客様でしたか。」
料理人の声だ。

「え、えぇ、おトイレに」
監督は一目散に部屋に戻りたかったが、ここまで来たことが不自然のような気がして答えてしまった。

ゆっくりと振り返る。

「トイレはそこです。
   それが、電気のスイッチございます。」

と指したのは肉をそぎおとした太い骨だった。
ゴムの白い前掛けに血を付けて、骨でトイレを指しているのだ。

「どうも、ご親切に。」
監督は少し早足でトイレに向かう。

《ギィイイイ》
少しきしむドアを開けトイレに逃げ込んだ。

「お客さんだったよ。」
    「骨を見られてしまったな。」
「勘のいい人だと明日の計画がバレてしまうぞ。」


遠くで料理人の会話が聞こえる。
トイレで目的を済ませることにこんなに専念したことは無い。