V・S(17) | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

さて、授業はいろいろな単語も教えてもらった。

右、左、アップ、ダウン。

まあ発音はまだ正確ではないが、先生とのやり取りはできる。

(それでは、今日はここまで。
よくおさらいをしておいて。
またお会いしましょう。)
と字幕が出て、ケベン先生が会釈をする。

どうやら授業は終わったようだ。

なのでヘルメットを外そうとアゴヒモのバックルに手をかける。

その時




≪ググーン≫
椅子から振動が伝わる。

≪ゴグググーン≫
今度はさっきより強く。
この椅子にマッサージ機能でもあるのか。

勉強で疲れた体をほぐしてくれるサービスがあるみたい。

あー、気持ちい、い、い、い
なんて思っていると。


≪ズガァーーーン≫
建物ごと振動する激しい揺れ。

地震!
いや、一瞬の衝撃だった。

遅れて、あの辞書の入った棚が前に倒れた。

≪アゥッ!≫
先生

≪ダディ!≫

先生とお嬢さんがその場に倒れこむ。

≪ズグゥゥゥン≫
僕は椅子のひじ掛けにしがみついた。

もう、帰りたい。