UFO工場6 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「いやぁ、すみません。
   私としたことが、デモ機と売り場のサンプルを間違ってしまって。」
親子の前に現れたのは、サイキョウの社長だ。

キャリーバッグを牧場の前に止めて、店員に頭を下げている。

「お世話になってます。
  やはり、お間違えでしたか。」
高橋は抱えていたお掃除ロボットを社長へ差し出す。

「あー、これです。失礼しました。」
それを受け取り、キャリーバッグからサンプルを取り出す。

サンプルを牧場に放すと、キャリーバッグにデモ機をしまった。

「サイキョウの社長さん。
   新製品はいつ発売ですか?」
子供

「あ、これはまだ試作品でして、発売は未定です。」
社長はチャックを閉めながら答える。

「あのう、すみませんが、そちらの新製品はおいくらくらいするものですか?」

「そうですねぇ。
   発売中のものよりセンサーが多く2割は高くなるかと。」
社長

「そうでしたか。」

やはり目星をつけた遠隔操作の掃除機に決めようとしていた。

「社長さん。
   試作品てことはこれからもっと強くするんですか?」
子供

「つ、強く?
    ブラシの回転数かな?
    吸引力かな?」
社長

「いや、何でもないですよ。」
母は息子のジャンパーの袖を引っ張る。

「もっとさぁ、拭き掃除が出来てワックスかけて、ラジコンになってとか。」
子供

「こら。迷惑でしょ。」

「ワックスねぇ。
   いいアイデアだね。
    今度、会社においで、いろいろ強くしようか。」
社長

母は名刺を渡された。