鉄の園 29 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

もうイントロは過ぎて歌に入っているはずだ。

お客さんは、拍手をやめて静まり返った。

そして、
上野は、
「ごめんなさい。」
と語り出した。

伴奏を止める。

「皆さん、私は
       鉄の掟を破って、町を出ました。」

『え、何?』
『出ちゃダメなの?』

「もちろん、許されることではありません。
         皆さんは、この町を愛し、そして、
   掟を守ってます。
     こんな盛大なイベントにお誘い頂きましたが、今朝までお断りをしてました。
     こんな私が、
          皆さんの楽しいイベントで、ノコノコ出てくるなんて、とても・・・」
嗚咽が漏れる。

「あの日、私はここで、
      あのホームのベンチで、愚かな行動に走ってしまったのです。

   今日は大事なクリスマスパーティーを台無しにしてすみませんでした。
 
    ただ、この場を借りてきちんとお詫び申し上げたく、出てきてしまいました。」
また深く頭を下げる。


『何言ってんだい!』
『そうだ!』
そして、同年代と思われる女性がホームに上り、彼女を囲んだ。