そして翌日。
クリスマス・イブである。
インフルエンザの彼女たちはやはり来られない。
鉄のツリーには七夕の短冊のように、フックに願い事も吊るしてもらった。
世界平和、
来年は彼女と来たい、
そして、
アイアンラボの回復を願うものも。
午後4時
イルミネーション点灯式。
テッキーと市長と、
本来ならアイアンラボだが。
カウントダウンで点灯した。
駅舎の形に光るLED。
つららのLED
リースも、ポストも光る。
そして鉄のツリーは無数の穴から七色の光が漏れる。
ミラーボールにはスポットライト。
それがラメのフレークをキラキラさせる。
ギャラリーもディスコのようで楽しい。
夜はテッキーのメラメラも綺麗だった。
6時
ホーム側を通って、線路に集まるお客さんたち。
遠くから電飾された戦車の台車が向かってくる。
「お待たせしました。
この町の生んだ、スター。
上野 明実さんです。
歌は、《1番線から》です。」
電飾台車がホームに着いた。
お客さんの拍手と、イントロが始まる。
しかし、台車の上の彼女は頭を下げたままであった。