鉄の園 25 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

翌日には、
ニュースでも流され、
ついに国会まで開かれた。

「日本は地下での兵器開発をやめろ!」
「経済制裁になりかねない事態。」
ついに国連が動き出すことになった。

「え、日本政府は、
   今回問題となった地下施設を視察しまして、
  ですね、
   かつての兵器工場であったが、戦後からは1度も稼動することなく、
  ですね、
   廃工場のまま、現在に至ったものと認識して、ございます。

   え、昨今の、隣国のですね、
   稼動中の兵器工場とは別物として、ですね、
   お考え頂きたい。

   今後、この施設を、どう処理していくかは、市長を交えて、忖度、いや、選択をされるべきと   思います。」
総理大臣。

ニュースのインタビューでは、
「地下施設につきましては、爆発物も無く安全であります。
   市としましては、一般の方の見学できる文化財として、保存することに決定しました。」
市長

「博物館ですか?」
記者

「戦争のミュージアムです。
     この町の歴史、戦争の悲惨さを学べる施設に変わることでしょう。」
市長

「なぜ今まで公表されなかったのでしょう?」
記者

「私たちには、鉄の掟があったのです。
     戦時中からの掟。
   工場のことは他言しない。
   それは、家族を、地域を守るためです。」
市長