仮面トラッカー イダテン3-9 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「なんてことだ。」
(さっきまで茶運び人形みたいに歩いていたのに、飛び起きて段ボールを潰し始めたぞ!)

「こんなに動けたの久しぶりじゃ。
   よーし、サイクリングだ!
    登山だ!
    社交ダンスだぁ!」

「極端すぎる。
   元気になったのはいいが・・・」

首をかしげながらこの家をあとにする。

あるスーパーの前で信号待ちをしていた時だ。

「ドロボーだ。誰か捕まえてくれー!」
といってエプロンをした店員が店から歩道へ飛び出してきた。

「泥棒だと!」
すぐに窓を開けて、スーパーの周りを見渡すが
逃げている人間が見当たらない。

「ドロボー、ドロボー、ドロ、ボー」
店員の声が小さくなる。

歩道には高齢者の買い物客がパラパラといたが
誰が犯人か特定できていなかったようだ。

「どうした?」
気になって店員に話し掛けた。

「万引きなんです。
   ここにあったウニとアワビが一瞬で無くなって。」
店員

「どうやら犯人はこの高齢者の買い物客の中にいると?」

「そうですが特定できません。」
あきらめモードの店員

「そうでしょう、これは集団万引きです。

   あんたたち、
  ここを出入り禁止になったら、となり町のスーパーまで買い物に行くことになりますよ。
  その電車賃を考えたら・・・
 すぐに返せば問題にしないと言ってますよ。 」

すると何人もの高齢者のエコバッグからウニとアワビが店員に戻された。

「え、ありがとうございます。」
店員

「おかしい。
    この町の高齢者は、みんなどうしちまったんだ。」

お爺さん、お婆さんの様子を眺める二人。

誰しもが目をギラギラとさせて苛立っているのだ。

「何見てんだよぉ!若いの。」
老人に睨まれる社長。