仮面トラッカー イダテン3-8 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「はーい。ちょっとまってぇ。」
奥からガラガラの声が聞こえた。

段ボールを肩に載せて待つことにする。

・・・遅い。

着替えでもしているのだろうか?

「はいはーい。
    すまないが開けておくれー。」

さっきより近づいているのがわかり、引き戸を開ける。

玄関からまっすぐ伸びた廊下におじいさんが1人。

摺り足で、ス、ス、スと少しずつ進んでいた。
そこの玄関まであとどれくらい待たされるだろうか?

「すーまなーいねー。
     宅配さん、それを、こっちまで運んでもらえないかいねー。」

「おやすいごようで。」
どうやらこちらから向かうことで時間が短縮できた。

段ボール入りの布団を寝室に下ろして、伝票のサインをもらえば終わりだ。

「・・・どうしたもんかの。」
段ボールを眺めるおじいさん。

「あー、えーと。
    じゃあ、段ボールから出してあげますよ。」
(時間が・・・)

「すまんねぇ。
    私がやったら朝になっちまうでなぁ。」

「おやすいごようで。」
(朝になったら布団を買った意味がない。)

ささっと羽毛布団を広げた。
けっこう高そうにみえる。

「勧められて買ってみたんだが、
    寝るだけで元気がみなぎるらしい。」

「ちょっと寝てみては?」

「そうかい。
   眉唾ものだけど、こう足腰が悪いと元気に動きまわれる なんて言葉に弱くて。
   寝るだけでなんて、そんなわけは・・・」

布団にヨタヨタ潜るおじいさん。
「・・・ホンマや!」

(急に関西弁。明石家さんまかよ!)