仮面トラッカー イダテン3-5 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

社長は配達先に着くと伝票を持って降りた。

「ここは先週、柿をもらった家だ。」
荷物を抱えて表札を見る。

通販利用が多く、先週は大きな布団セットを運んだ。

おばあちゃんにうまい柿を2つもらった。
人あたりの優しいおばあちゃんだった。

「おはようございます。
    レッドベレー運送です。」

しばらく待ったが返事がない。

再配達したほうが良いかもしれない。

車に戻ると、誰かが荷台をこじ開けようとしていた。

「・・・泥棒?」

やはりそのようだ。
ロックの部分を棒で叩いている。

「おい!何をしている。」
と強気に言ってみてから少し後悔した。

あの腕輪は車の中だ。

とんでもない屈強な男だったらどうしよう…。

「何だべ?」
と振り返ったのは、この家のおばあちゃん。

「あ、   お、おばあちゃん。
    この前は柿をどうも、

      で、何を、してるんですか?」

「何を?
   良いものがあったらかっぱらってやろうと。
   あんた、お金、あるかい?」
おばあちゃん

「う? ど、どうしたんですか?」
先週とまるで別人だ。

「お金、あるのかい?」

「いや、無いです。小銭しか。」

「そうかい。
   じゃあ、そうさな、
    あれ、あの腕輪。  よこしな。」
運転席の窓の外からシフトレバーにかかっている腕輪を指した。

「それは・・」