便所、便所。」
朝6時半、トイレに起きる。
「はぁ、酔っぱらったなぁ、こんなになったのは初めてだ。」
男子トイレに入り、放水態勢に入る。
「あ、こらこら、逃げるな便器。」
便器は逃げていない。
ようやく任務完了した。
手を洗い、そして顔も洗う。
顔をハンカチで拭いて鏡を覗く。
「あらぁ、朝の俺はすげーイケメンだな。
こりゃ、早起きして会社に行けばモテるんじゃないか?」
「それはない。」
「ひゃっ!鏡の俺が しゃべった!」
「大きな声を出すな。
顔を見られたからには生かしておけん。」
鏡だと思ったのは、同じ服装した男が目の前にいたのだ。
「は?
初対面で何を言ってやがる。
酔っぱらいをなめんなよ。」
ビシッ。
酔拳のかまえ。
「用が済んだら消えろ。」
包丁を出す男。
「武器とは卑怯な、待ってやがれ。」
トイレから飛び出して林から木の棒を探してきた。
「ほらほら、こっちのほうがリーチが長い。
そこか、突きーー!」
≪パリン≫
その大声と破壊音に住職が竹ぼうきを持って駆けつけた。
「このやろ、鏡を割りやがったな。」
「すみません。
イケメンな俺が悪いんです。」
「弁償してもらうよ。」
「え!ショーベンならしましたよ。」
「ダメだ、この酔っぱらい。」