余命 24時間 15 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

その前日
5月20日 16:00

「おいっ、あらまたーーっ!」
会社の上司が立ち上がってデスクから彼の姿を探している。

「は、は、はいっ。」
そこへ駆けつけた荒俣。

「大変なことになってるぞ、例の案件。」
上司は座ることなく荒俣を怒鳴る。

「例の?
  いや、あれはプロジェクトチームの」
荒俣は資料を取りにデスクに向かおうとしたが

「プロジェクトチームのせいにするんじゃないっ、これはお前1人の責任だ。
わかったな。」

「ですから、」

「わかったな。」

「はい。

(ん?)

「どうした?」

「あのぅ、前にもこんなやりとりありましたっけ?」
荒俣が不思議に思って聞いた。

「さあな、あったかもな。
   毎日のようにお前さんを怒鳴ってるんだから。」

「は、すいませんです。」

「しかし、この案件のクレームは今受けたばかりだ。
   お前の尻拭いの会議をしなくてはならないんだ。

「本当に申し訳ありません。」

その後、荒俣抜きでプロジェクトチームは会議室へ入って行った。

荒俣は自分のデスクで資料をめくってブスッとしている。
(おかしいなぁ。
   課長の言ってること前に聞いたんだよなぁ。
 何で怒られた時だっけなぁ)

他の社員も横目で見るだけで声をかける者はいない。


「死にてぇ。」