余命 24時間 14 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

石段の中程で若い女性とすれ違う。

女性は会釈したが、荒俣は目を反らして通りすぎた。

しかし、

あれ?
どこかで?

こんな景色。こんな経験。
デジャブというやつか。


また石段を降りる。

バス停で休む。
喉が渇いていたので、道向かいの商店へ歩いてビールを買う。

それを飲んで寝てしまった。

≪カコーン≫
空き缶を落としてしまい、ハッと起きるとさっきの女性がベンチの端に座った。

交通安全の御守りを眺めている。



あれ?
御守りを眺める仕草。

どこかで見たぞ?

衛星放送のドラマか?
映画かな?

思い出せない。


彼女のトークアプリの通知音が鳴る。

これも、見覚えある。

「この後、何か起こるような、」
荒俣が呟いた。



バスが来た。


「ゥアーー!」




≪ピーーーー≫
「15:59 ご臨終です。」