クーカーの怪談 十話 『お化け屋敷』 | クーカーの 笑説

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コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
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1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

クーカーの怪談 十話目です。

百話を全部読み終えた瞬間、


あなたの腹が

‘ よじれる ’

ほど笑えるようがんばります!

第十話をどうぞ。


*******************

彼と初めてのデートは、遊園地でした。

絶叫マシンを次々と乗る彼、私も嫌いではないですが、さすがに少し疲れました。


それでも彼は、次のジェットコースター「キリキリ舞」へ歩いていました。

『お化け屋敷』 Nさん  (35)


彼は初デートで緊張しているのか会話も弾みません。

私は、お化け屋敷を見つけました。

彼も気付いていたはずです。

「Nさんは何か趣味とか無いの?」
急に彼が話を振ってきました。

そして、少し早歩きでお化け屋敷の前を通りすぎようとしています。

もしかして
と思いました。

「あっお化け屋敷だ!」
私は、入り口に駆け寄ると彼もついてきます。

「ふーん。」
彼は入り口の生首を眺めています。

「ちょっと怖そうじゃない?」
彼の反応を伺いました。

「そうかな。 作り物感 丸出しだよ。」
確かに生首は発泡スチロール感が丸見えです。

彼は余裕の表情で入り口を進んで行きます。

私は、彼の後をついていきます。
もちろん、キャーとしがみつくつもりです。

暗い通路

右に、左にお化けや血まみれの人形が飛び出してきます。

「おうっ、あはは。」
彼は人形に見入っています。

「キャー~」「うひぃ」
私は、驚きながら彼の後ろを歩きます。

彼がお化け屋敷が苦手だと思ったのは勘違いだったようです。

私は、損した気分でした。

中程までくると、
彼が右足をゆっくり出して進んでいるのです。

よく見ていると

センサーを探しているのです。

通路をキョロキョロ、天井をキョロキョロ


なるほど、センサーにかかるとお化けが飛び出す仕組みでした。

最後の最後のセンサーを彼は見つけたようです。

しかし、

飛び出してくるであろう お化け が見当たりません。

彼は慎重に


右足を

センサーにかけました。



ビガビガ

ライトがフラッシュ

「うわぁぁああ!」
彼は悲鳴をあげました。

私も悲鳴に体が硬直。

しかし、お化けが見当たりません。


もう、出口です。

私は、乱れた髪を直してから出ました。


彼は
「最後のやつリアルだったな!」
と言いました。

「私、見逃しちゃった。」

それは、髪を振り乱した鬼婆だったそうです。