≪ギョンギョンギョンギョン…≫
二人の真上にクローン兵士の輸送機が降下してくる。
その大きさはこの屋上の半分を占めるだろう。
クローン兵士100人を戦地に運ぶ輸送機だ。
「もうカッパは要らないな。」
セブンは左手でカッパを脱いだ。
ナインも邪魔なカッパを脱ぎ捨てた。
「暑かった。」
身軽になり、ジャイロバイクに股がる。
セブンは後ろに乗る。
「行くぜ」ナイン
「おうよ。」
セブンはリアシートの手すりを握った。
ホバーモードで浮上。
輸送機も追ってくる。
メダカとブラックバスほど大きさが違う2機がこの街を飛び回る。
原動力の差がスピードに出る。
ジャイロバイクはすぐに追い付かれてしまう。
「あそこへ飛び込め」
セブンはビルとビルの隙間を指す。
「OK!」
その隙間に入るナイン
輸送機はビルの手前で急転換した。
「やったぞ。」ナイン
「おぅ、やった。
いや、前!」セブン
地面から離陸した別の輸送機がジャイロバイクの前に現れた。
「こいつが下に居たということは?」
ナイン
「あの兵士は100人の中の一人にすぎなかった!」
セブンは上空から街を見下ろす。
街は同じ顔のクローン兵士だらけだった。
「落ちたら八つ裂きだな。」
セブン
「逃げ切ろう。」
ナイン