ジャイロバイクを兵士に向けてホバリング
(空中停止)するナイン。
そのナインの頭を確実に狙う拳銃。
「うっ。」
まさか警官の拳銃を手に入れるとは想定外のナイン。
「ブレイナー。死ね。」
兵士
≪パッツ≫
乾いた銃声が駅前に響く。
「ギャーー!」
「ぅわーっ!」
「逃げろ‼」
「どけどけ、ピストル持ってるぞ!」
野次馬のドーナツは広がる。
ナイン
「ナーイス、ピッチング!」
親指を立て、ビルの屋上に向ける。
「オゥ。
ワイルドボウズ
のコーチ様をナメるなよ
ってな。」
セブンは左肩を回している。
セブンが屋上からカードライターを投げ、
兵士の腕に当て、銃口をナインからずらした。
あの高さから加速したライターは、兵士の腕を折ったのだ。
もう引き金を引くことはできないだろうか。
≪パン、パンパンパン≫
しかし、4発の銃声が続いた。
さすがにナインはジャイロバイクに伏せ、
屋上のフェンスの外にいたセブンもギリギリまで身を乗り出した。
「うっ。ぉ。 オーマイガー。」
兵士が立ち上がり、胸を右手で押さえていた。
隣には拳銃を血の付いた両手で構えている若者。
兵士が落とした拳銃を拾って撃った。
その手は震えている。
「ハ、ハハ、やった、やったぜ。」
「オー。
オー、ノー。ガッデム。」
兵士はふらふらしたが、拳銃を若者からグッと取り返した。
そして、若者のこめかみに付ける。
「フッ」
兵士は笑って見下ろす。
「う、うぅ。
ハァハァ 、ハ、ハッ、ハッ」
若者は呼吸が浅くなり、ガタガタ震え、失禁したようだ。