スーツ75 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

スクランブル交差点の真ん中

ナイフを持つ兵士と
脇腹から血を流してうずくまる若者。

兵士は止血などしていない。

仲間達は先ほどの兵士のように一人一人の顔を覗きこみながら街に散らばっていく。


兵士と若者の回りに空間ができた。
ドーナツ状に野次馬が群がる。

女性の悲鳴が鳴りやまない。

もちろん車の流れも止まっている。

パトカーが野次馬を掻き分けてドーナツの真ん中に着いた。

「武器を捨てなさい。」
パトカーから飛び出た警官は二人だ。

    「だまれ。」
       なんと兵士はナイフを運転席側に立つ警官に投げ、眉間に命中させた。

「はっ!」
もう一人の警官は拳銃をホルスターから抜いた。

       「フンッ」
   兵士は拳銃を構えた警官に、この若者を抱えて投げた。

  「うわっ。」
  発砲できずに若者の下敷きになった警官。




≪ギュルルルルルル≫

「はぁん?」
兵士は頭上の異音に気づいた。

「兵隊野郎ーっ!」
ビルの屋上から急降下したジャイロバイクが目に飛び込んだ。
ナインだった。

兵士はローリングして、警官のそばに移動。


≪ヒュ、グワーーン≫
地面スレスレで前輪を上げ、地面との衝突は避けた。



   「ブレイナー‼
   
   ターゲット、ロックオン」
     片膝立ちの兵士の手には

      あの警官の拳銃。