あれを持って
とは、さっきまで工場内で作っていた2着目のステルスコートだ。
隠れていたわけではなく、急いで試験室の壁紙を剥がし雨ガッパに貼り付けていた。
それを羽織り、ニセセブンが乗ってきたジャイロバイクへ。
セブンの操縦、ナインは後ろへ乗る。
ヘルメットはいらない。
ただ、シート下に格納されているパラシュートのストラップには腕を通した。
スイッチをホバーモードへ。
そろばんの珠のような車輪は、ホイール内のプロペラが回りだす。
やがて後輪がハの字になり、浮上。
続けて前輪も水平に回転し浮上した。
垂直に上昇する。
工場の高さを越え、マウンドのニセセブンが見える。
草むらの前には兵士。
ウサギを抱えてジャイロバイクを見上げている。