トンネルで引き返し、この廃工事に連れてきた。
トラックは裏口の給水タンクの裏に隠してある。
あの台車にナインを乗せ、この事務室のソファーに運び入れた。
今頃、トラックの配達員は大騒ぎだろう。
配達先の人にも迷惑をかけてしまった。
今は仕方ない。
お詫びはいくらでもするつもりだ。
ただ、イノシシのダンガンのエサは大量に手に入れた。
タバコをふかしながら、イノシシの檻に行く二人。
ダンガンはボウズのあげたリンゴを音をたててかじる。
ボウズは桶に水を汲んで与えていた。
「可愛いのかボウズ。」セブン
「かわいいよ。」ボウズ
「君たちを襲ったんだよね?」ナイン
「檻に入ってればただの毛深いブタだよ。」ボウズ
「ブタか。」ナイン
「しかし、俺には、全くなつかないんだよ。コイツ」
≪テン、テン≫
檻を金属棒の右手で叩くセブン
≪フギィイオ!≫
おとなしかったイノシシが暴れはじめた。