前のバスの後ろに付ける。
前のバスから次々と日本人が降ろされ、直後に健康状態、性別、年齢で選別され、新たに色付きの腕輪をされている。
同じ色の腕輪の者はまとめられてカートに乗せられ奥へ連行された。
仕事の内容で分けられているようだ。
原島は一番後ろに立ち、窓を覗く。
「リーダー。
急げ、ゲートが閉まる!」
「よし、ウエラブルで写真を撮った。」
片足のウエラブルを外し、ミニカメラで写真を撮りまくったのだ。
カプセルを開く学生たち
≪シャッ≫
運転手は何をしだしたのか不安になり、窓を開けて助けを呼ぼうとする。
「はっ!」
高井は運転手の口をふさぐ。
「ゥンン…」運転手はクラクションに手を伸ばした。
≪ズンッ≫
フエさんだ。
通路を走り、高井の横から運転手の脇腹に蹴りを入れたのだ。
運転手はぐったりした。
「シェイシェイ。」高井
運転手を通路に運ぶ。
バスの前で兵士が手招きする。
高井は運転席に座り、片手を挙げた。
「ん?」
兵士は高井が首輪をしているのを不審に思ったようだ。
仲間を呼ばれてしまった。
「リーダー。オーラーイ!」
原島さんの大声だ。
バスはバックで走り出した。