ギアをリバースへ押し込む。
〈グッコン〉
アクセル全開。
〈ホオーーーン〉
〈ホオーーーン〉
入ってきた下り坂を登る。
大きな鉄のゲートが閉まる前に脱出した。
バスはものすごいエンジン音をトンネルに響かせる。
兵士たちが走って追いかけてくる。
その後ろからカートに乗った兵士が現れた。
しかし、
スピードが違う。差は開くばかりだ。
これなら逃げられる。
しかし、
カートの一団の間を縫って、今度はバイクの兵士が現れた。
さすがに早い。
もうフロントガラスの目の前にいる。
「左カーブだ。」原島
「おう!」高井
しかし、バックでカーブに沿って曲がるのは難しい。
≪グシィ≫
バスは壁に擦ってしまう。
「きゃあ!」バス内に悲鳴があがる。
≪ギャシギャシ≫
壁を擦り火花を散らしながらバックで走り続ける。
「クソッ‼
ゲートが閉まってるぞ!」原島
「みんな、伏せて‼」高井
≪バシィ、グシャ≫
ゲートは壊して突破。
バスもダメージを受けた。
父親はシートから転げ落ちた。
「ダイジョブ、ダイジョブ。」父
≪ブォオオ 、オオ、 コココ ≫
バスのエンジンは後ろだ。
エンジン音がおかしくなったが止めるわけにはいかない。
「トンネル、出る!」原島
「曲がれっつ!」高井
ハンドルを切る。
が、
バスの側面をトンネルの壁から剥がすのは一人では無理だった。
「リーダー。」
手を貸したのは橋野さん。
「せーの。」高井、橋野
≪キュウ、ギャァァァァ≫
フロントタイヤが叫びながらバスは向きを変える。
≪ゴシャ、ガチャ≫
バスの前と後ろが潰れた。
俺は何が起きたのかわからない。
バスは止まっていた。
高井さんがドアで呼んでいる。
急いでバスを降りた。
振り返るとグシャグシャのバスが
トンネルを塞いだのだ。
反対側にバイクの兵士がいるようだ。
「みんな、伏せて‼」高井
≪バシィ、グシャ≫
ゲートは壊して突破。
バスもダメージを受けた。
父親はシートから転げ落ちた。
「ダイジョブ、ダイジョブ。」父
≪ブォオオ 、オオ、 コココ ≫
バスのエンジンは後ろだ。
エンジン音がおかしくなったが止めるわけにはいかない。
「トンネル、出る!」原島
「曲がれっつ!」高井
ハンドルを切る。
が、
バスの側面をトンネルの壁から剥がすのは一人では無理だった。
「リーダー。」
手を貸したのは橋野さん。
「せーの。」高井、橋野
≪キュウ、ギャァァァァ≫
フロントタイヤが叫びながらバスは向きを変える。
≪ゴシャ、ガチャ≫
バスの前と後ろが潰れた。
俺は何が起きたのかわからない。
バスは止まっていた。
高井さんがドアで呼んでいる。
急いでバスを降りた。
振り返るとグシャグシャのバスが
トンネルを塞いだのだ。
反対側にバイクの兵士がいるようだ。
「これで、ハァ。ハァ。
追ってこれないだろう。
急いで、ロケットを、」
高井
俺達は
立ち入り禁止区域に立っている。
カプセルからロケットを取りだし、ウエラブルで新しいデータを打ち込んだデータカードを挿す。
≪プシュウー≫
ロケットはフランスに飛んだ。
あと数時間でフランスの研究者からフランス軍へ、そして世界に日本の状況を配信する。
この島国に各国の連合軍が集結するはずだ。
テロリストは解体されるだろう。
平和、もう一度
終わり
ナイフを持ち歩くことも許されない日本。
軍隊をもたない日本。
やられっぱなしの日本。
それでもいいのかもしれない。
戦争をしなかった日本は凄い。
挑発ごときで騒がない日本。
挑発しかできないのは、日本に実力があるからだろう。
これは10年後の物語だけど、あり得なくもない話。
平和がいつまでも続くことを願う。
他の国が日本に憧れることを願う。
武力が無くなることを願う。