101 戻れ‼ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

高井さんは大きなハンドルを握り、
ギアをリバースへ押し込む。
〈グッコン〉

アクセル全開。
〈ホオーーーン〉

入ってきた下り坂を登る。

大きな鉄のゲートが閉まる前に脱出した。

バスはものすごいエンジン音をトンネルに響かせる。

兵士たちが走って追いかけてくる。

その後ろからカートに乗った兵士が現れた。

しかし、
スピードが違う。差は開くばかりだ。

これなら逃げられる。

しかし、
カートの一団の間を縫って、今度はバイクの兵士が現れた。

さすがに早い。

もうフロントガラスの目の前にいる。

「左カーブだ。」原島

「おう!」高井

しかし、バックでカーブに沿って曲がるのは難しい。

≪グシィ≫
バスは壁に擦ってしまう。
「きゃあ!」バス内に悲鳴があがる。

≪ギャシギャシ≫
壁を擦り火花を散らしながらバックで走り続ける。

「クソッ‼
      ゲートが閉まってるぞ!」原島

「みんな、伏せて‼」高井

≪バシィ、グシャ≫
ゲートは壊して突破。
バスもダメージを受けた。

父親はシートから転げ落ちた。
「ダイジョブ、ダイジョブ。」父

≪ブォオオ 、オオ、 コココ ≫
バスのエンジンは後ろだ。
エンジン音がおかしくなったが止めるわけにはいかない。


「トンネル、出る!」原島

「曲がれっつ!」高井
ハンドルを切る。
が、
バスの側面をトンネルの壁から剥がすのは一人では無理だった。

「リーダー。」
手を貸したのは橋野さん。

「せーの。」高井、橋野

≪キュウ、ギャァァァァ≫
フロントタイヤが叫びながらバスは向きを変える。

≪ゴシャ、ガチャ≫
バスの前と後ろが潰れた。

俺は何が起きたのかわからない。

バスは止まっていた。

高井さんがドアで呼んでいる。

急いでバスを降りた。

振り返るとグシャグシャのバスが


トンネルを塞いだのだ。

反対側にバイクの兵士がいるようだ。

「これで、ハァ。ハァ。
    追ってこれないだろう。
 急いで、ロケットを、」
高井






俺達は
立ち入り禁止区域に立っている。


カプセルからロケットを取りだし、ウエラブルで新しいデータを打ち込んだデータカードを挿す。

≪プシュウー≫
ロケットはフランスに飛んだ。

あと数時間でフランスの研究者からフランス軍へ、そして世界に日本の状況を配信する。

この島国に各国の連合軍が集結するはずだ。



テロリストは解体されるだろう。

平和、もう一度

終わり




ナイフを持ち歩くことも許されない日本。

軍隊をもたない日本。

やられっぱなしの日本。

それでもいいのかもしれない。

戦争をしなかった日本は凄い。


挑発ごときで騒がない日本。

挑発しかできないのは、日本に実力があるからだろう。

これは10年後の物語だけど、あり得なくもない話。

平和がいつまでも続くことを願う。

他の国が日本に憧れることを願う。

武力が無くなることを願う。