97 クンフーマスター | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

フエさんはシートから立ち上がり、
拳で空を撃つと、フッと風を切る音がした。

「やってくれ。」
橋野はギュッと目を瞑り正座で固まる。

「私は仕事の為に日本来た。
だけど、首輪があるから、
奴隷になって仕事する。

同じ仕事でも、親に仕送りできないのは、違う。
全部、あなたのせい。」
フエ

≪ブンッ≫風を切る音
「クッッ…」橋野


「ウソよ。」フエ

「え?」橋野

「あなた、殴っても私の手が痛いだけ。」
フエさんはニコッと笑う。

「そんなぁ」
橋野は泣いた。

「ねぇ!聞いて。
中国も日本もないわ。
こんなこと嫌いでしょ?
皆さん、困るでしょ?

皆さんで止める。
できるでしょ?」
フエさんが言う。

「フエさん。」ヨーコ

「あぁ、できる。
こんなこと止めるんだ。」
橋野

橋野君、フエさん、ヨーコさんが右手を伸ばして円陣のように重ねる。

「エイエイ」

そこに、父親が手を伸ばした。
皆、驚いた。

「ダイジョブ?」父親

一斉に笑う。



「エイエイ、オー!」

バスに拍手が起きた。