カプセルは楕円形でペンケースのような形状だ。
本来は透明なのだが、迷彩のカッパを被せ、テープを巻いた。
山道に見事に紛れていた。
カプセルは、一行から距離をおいて付いていく。
高井の前の原島は、高井を振り返り頷いた。
高井の先のカプセルの様子を見ていた。
社を過ぎた。
屋根のアンテナは無事だ。
割れた飴玉がある。
山の入口まで降りてきた。
アスファルトの道路に着いた。
黒いバスが来る。
あの光景を思い出したのは俺だけじゃない。
ヨーコさんも目を反らしていた。
あの状況になってしまった。
誰も抵抗しないでくれ。
そう願う。
首輪に汗が垂れた。
ピッカーが運転手に敬礼した。
バスのドアが開く。