ピッカー部隊がマンツーマンで付いた。
皆、壁に両手を付き、両足を開いて立たされた。
ボディチェックだ。
身体を服の上からなぞられ、武器が無いか調べる。
真夏の軽装なので時間はかからない。
データカードとウエラブルはバレていない。
遂に防空壕から出された。
日は傾き、夕焼けになっていた。
木々の間からオレンジの光が皆を照らし、反対側に濃い影を作る。
一番後ろに並んだ高井。
この夕焼けは味方になった。
≪シュ シュ シュ≫
遥か後方
高井の歩幅と一緒に動くカプセルがある。
ピッカーには気付かれてない。
ボディチェックは予想していた。
だから、靴とカプセルをワイヤーで繋いでおいたのだ。
カプセルは木々に当たりながらも、中身を守っている。