89 突入 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「急げ。来る。」高井

「ああ。わかってる。

橋野、おい橋野。」
原島は、呆然としている橋野の肩を叩く

「もうだめだ。もう、だめだ。」
ブツブツと小さな声で繰り返す橋野

「チッ。
橋野!どくんだっ。」
真ん中で立っている橋野を、両ひじを持って壁際に移動させる原島

「データは?」高井

「大丈夫です。
リーダー、ウエラブルを」他の学生

「ありがとう、セットした。」
高井

サーチライトの灯りでバリケードの機材からデータカードを抜き取る。

高井はウエラブルという器具を、両足首に巻いて裾で隠す。

「よし、来い!」高井




偵察機の頭が入口から後退りする。

隙間が空くと、ザザと音を立てて兵士が乗り込んでくる。

父親のような一般の兵士ではない。

迷彩のベストにヘルメット、手には電気ショックのスタンバトンという警棒。

コアハンターと呼ばれる部隊だ。

コアハンターの一人が伏せている父に手を貸す。

何か会話をしたが聞こえない。

偵察機のモーター音のせいだが、聞こえても意味はわからない。

コアハンターはうなずいてからゆっくり階段まで来た。

「やれ。」
ハンターの一人が合図を出した。

日本語だった。

これは予想外だ。

敵に日本人が居るのか、そうに聞こえる中国語なのか?

考えてる場合ではない。

何十人入ってくるのか、入口から続々と兵士が来る。

バリケードは簡単に破られた。
スタンバトンで機材は壊された。

「キャアアア」
女性はたまらず悲鳴をあげる。

学生達も抵抗はしてみたがスタンバトンで崩れ落ち、馬乗りされて首輪をかけられていく。

「クソォッ…」学生

「この子は助けてぇ」ママ

「ヨーコさん!」俺

「おい、老人は抵抗しない。
優しく誘導してくれ。
おい、聞いてんのか」原島はハンターに怒鳴る。

「皆さん、抵抗しちゃ駄目だ、怪我をするだけだ。」高井

あっという間だった。

皆、フエさんと同じように首輪をつけられた。

コアハンターは出て行く。

入れ替わりにノーマルの兵士が入って来る。

ピッカーという連行部隊のお出ましだ。