82 ノイズ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「リーダー、さっきからラジオにノイズが乗るんですよね。」学生
中国語の放送を聞くために小音量で付けている。

「俺も気になっていた。」原島

「首輪かもしれないね。
首輪とリモコンを持って出てみるよ。」
高井さんは外に出た。

しばらくして戻る。
「どう?」高井

「いや、あんまり変わりませんでした。」
学生

「なんだろうな?」原島

俺はラジオのアンテナを動かしてみた。

≪ズ,ズ…ズ スー≫
アンテナの先が、ある方向を指す。

そこにはフエさんのお父さんの後ろ姿がある。

「何‼」
原島さんがサッと立ち上がると、学生も高井さんも緊張した。

「ん?」
お父さんも振り返った。

「ブーツだ。ブーツを脱がせろ。」原島

フエさんが伝えると、父は抵抗もなくブーツを脱いだ。

原島さんはブーツの底を見て、銀色のピンを見つけた。

「ナイフ。」
原島さんは学生を見ずに手を出した。

手術のシーンのように、学生がナイフを手渡す。

原島さんはピンを残すように、かかとのゴムを切る。

「リーダー、わかるだろ。」原島

「発信器だ。」高井