78 再会 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

獣道を一例に並び、歩いていく。

先頭は原島さんで、蛇よけに気の棒で地面を叩きながら行く。

蛇は嫌いだ。
草むらが、ササッと揺れると気になってしまう。

俺の前の高井さんは腰ひもを掴みながら歩いている。

その前の兵士は真っ直ぐ前を見て歩いている。
早くフエさんに会いたいだろう。

俺は気になっていた。
家族のことだ。

海外にいる家族は、日本人と判れば拘束されるのだろうか?

しかし、世界中に兵士を配備するのは無理だろう。

海外の情報が入らんから確認できない。
俺も、ずっと胃が痛い。

あの兵士が発狂するのも無理はない。

防空壕に着いた。

原島さんがカメラの木にまばたきをしている。

鉄の扉が少しだけ開き、その後大きく開いた。

尾行がいないか確認してから防空壕に入る。

兵士が入ると、日本人は驚きながら後退りした。

逆に、ヨーコさんとフエさんは一歩前に出る。


「フゥェイ!」父
「お父さん。」フエ
涙の再会だ。

親子。

しかし、今は立場が違う。

同じ中国人。

だが
非難者と兵士。
追われる者と追う者。

フエさんから会話の内容を聞いた。

「お父さん。なぜ、こんなことを?」フエ

「フゥェイ。
お父さんはお前に会いたかった。
浄化なんかどうだっていい。
日本のお前が心配で心配で、テロリストに志願した。

お前にすぐ帰るように言いたかった。
手紙は検閲で引っ掛かるので日本には出せない。
電話も盗聴されているかもしれない。

だから、
テロリストに紛れて日本に入った。」

「お父さん」
「フゥェイ!」

防空壕の入り口で、父はフエさんを抱きしめた。