「フゥェイ!
チュン£&*#℃@♀♂ジュンマ!
フォン♀%#アン%♀#&#£%#?」
兵士は父の顔になった。
原島さんから無線機を奪い、部屋の角に走る。
角に向かって膝立ちをし、無線機を両手で握り、顔の前にすると、娘の名前を叫んだ。
しばらく中国語のやりとりがあった。
父は唾を飛ばしながら、こちらを睨み付けたりしながら話していた。
「そうなるよな。」高井
父にしてみれば、
娘が日本人と一緒にいるのだから、捕虜になり、中国人ということで酷い仕打ちをされていると考える。
「アーッツ、オアーッツ!」
父は発狂し、無線機を投げ、頭をかきむしる。
遠くなった無線機からは、フエさんの声が聞こえる。
フエさんは
大丈夫だ。心配ない。
と伝えたいが、父は聞く耳を持たない。
出稼ぎをさせた自分を責めているのか。
柱に頭を叩き付けている。
「わかった。
フエさんに会わせよう、それしかない。」
高井
また全員で兵士を押さえつけ、手を縛る。
そして、フエさんの声で安心させた。
原島さんは首輪、リモコン、ポーチを拾い、高井さんが腰ひもを握り、社を出た。