77 父の顔 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「フゥェイ!
チュン£&*#℃@♀♂ジュンマ!
フォン♀%#アン%♀#&#£%#?」
兵士は父の顔になった。
原島さんから無線機を奪い、部屋の角に走る。

角に向かって膝立ちをし、無線機を両手で握り、顔の前にすると、娘の名前を叫んだ。

しばらく中国語のやりとりがあった。
父は唾を飛ばしながら、こちらを睨み付けたりしながら話していた。

「そうなるよな。」高井

父にしてみれば、
娘が日本人と一緒にいるのだから、捕虜になり、中国人ということで酷い仕打ちをされていると考える。

「アーッツ、オアーッツ!」
父は発狂し、無線機を投げ、頭をかきむしる。

遠くなった無線機からは、フエさんの声が聞こえる。

フエさんは
大丈夫だ。心配ない。
と伝えたいが、父は聞く耳を持たない。

出稼ぎをさせた自分を責めているのか。
柱に頭を叩き付けている。

「わかった。
フエさんに会わせよう、それしかない。」
高井


また全員で兵士を押さえつけ、手を縛る。

そして、フエさんの声で安心させた。

原島さんは首輪、リモコン、ポーチを拾い、高井さんが腰ひもを握り、社を出た。