72 尋問 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

社の周りでは蝉がやかましいほど鳴いている。

手入れがされていない社は、うっすら埃が溜まっていた。

舞い上げた埃は、ゆっくりと地面に降り直っているのが、窓辺の日射しでわかる。

原島さんは兵士の真横に座り、無線機を兵士の顔に近づけた。

防空壕では、フエさんが待機し、通訳をする。

「では、始めましょう。」
高井さんは落ち着いている。

それから、尋問 というより、質問が始まった。

兵士も、こちらの応対を受け入れ、素直に答えている。

水と、栄養ゼリードリンクの差し入れもした。

さっきまでと目付きが変わっている。

フエさんの通訳があって、エイジアの目的を探ることができた。



浄化という名目の、日本人捕獲作戦。

1人残らず首輪を付け、エイジア指令部の意のままに日本人を操る。

この占領行為が完結すると、中国、北朝鮮、韓国、フィリピンなどはエイジア国となる。

日本は、エイジア国の極東島という県名だそうだ。

国籍もエイジア人となり、日本の憲法は通用しない。

そもそも、なぜ日本を占領するかといえば

居住はもちろん、資源の確保である。

このテロまで、近隣諸国は数々の手で日本の出方を伺っていた。

尖閣諸島上陸や、ノドン、テポドンミサイル発射、拉致問題など。

日本は、戦争放棄、防御だけを真剣に貫いていた。

これが他国なら、即戦争に発展するはずだ。