71 捕虜 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

社へ高井さんが出掛ける。

俺も付いていっていいようだ。

俺を連れてきた彼、原島さん。
原島さんも同行した。

防空壕を出ると晴れていた。
ジャワジャワと小川の音がする。

濡れた葉っぱを払いながら、獣道を進み、やっと社に着いた。

社の中には正座をさせられた兵士がいる。

猿ぐつわは外された。
代わりに足は縛られている。

その前に、ポーチとリモコン、首輪が並べてある。

連行した二人は木刀を握っていたが、それを使用した形跡はない。

俺は怒りがこみ上げている。

なのに、

高井さんは兵士の前に正座をして
ご苦労様です
と言った。

「ちょっと高井さん。」
こいつは敵ですよ。

兵士はシワのまぶたを持ち上げて高井さんをにらんでいる。

「大丈夫ですよ。
あ、無問題。」
高井

なぜだ?
兵士に優しすぎる。