60 デトックス日本 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「では浄化とは、何でしょうかね?」
これが一番気になる。



「浄化なんて言い方をしてますが、要は日本人捕虜計画の目的を果たす為の行為全てをそうに呼びます。」
高井



「追いかけて首輪を着けることが浄化?」
納得いかん。
首輪に血液サラサラ効果やデトックスでもあるわけじゃなし。

「言い方を代えたのは、実行部隊に罪悪感を植え付けない為なんです。

彼らにも日本に長く住めば友人や顔見知りができますから、その日本人に首輪を掛けるのは抵抗が生まれます。

つまり、日本人の為に着けてやる。

そして組織の統治により、素晴らしい日本に変えてやる

という使命感が芽生えます。」
高井



「ここだけの話、よそのお世話にならなくても日本は素晴らしい国だ。」

「もちろんです。
しかし、職業に就くことを拒まれ続けた世代は、毎日を遊んで暮らし、金が尽きると親を頼った。
不景気で親の懐はあてにならない。
すると蓄えのある老人を狙う。

友達と劇団を組んで詐欺を働く。
まるでロールプレイングゲームのようにね。」
高井

「そうだな。
国内で年寄りを狙う詐欺が流行った。
遊ぶ金欲しさに若者は暴走したが、景気や政治のせいだけにはできないね。
あの日の大人達も悪かったんだ。」

「政治家の信用も無くなっています。
疑惑や汚職は毎日ネタが尽きません。」
高井

「まあな。
仕事しているところなんて見たこと無い。
選挙と謝罪会見で有名になっている連中だね。」

「素直に謝るのはいいことだと思いますが、私たちの世代は毎日謝罪会見見てますからね。
大人に信用は無いですね。

投票所が大学内に置かれましたが、ほとんどの学生は行きませんでした。

逆に
俺が日本を支えなきゃ
ってヤル気が出ます。」
高井さんが拳を上げる。


国の代表が反面教師とは

浄化は必要に思えてくるぜ。