「こんなことが日本中で起きているんですか?
山奥や離島ならまだ」
「いや、もう…
テロリスト達は何年も前から住み着いていました。
土地勘をつけて、後から来る仲間に作戦まで用意しています。
特に東京オリンピックの時の入国ラッシュ。
オリンピック観戦を理由に多数の外国人が来ましたが、偽装出国という手を使って居残っています。
手続き上では帰ってますが、普通に漫画喫茶などで暮らしていたのです。」
高井さんは俺の理想を遮って説明してくれた。
「高井さんは中国人に知り合いでもいたのですか?」
ずいぶん詳しい。
「ネットの情報です。
以前、漫画喫茶で急病人が出て発覚したそうです。」
「その人々の生活費は?
仕事なんか出来ないでしょう?」
漫画喫茶の料金だって高いはず。
「彼らは偵察が仕事ですからね。
本国の組織から給料が出ますよ。
漫画喫茶だって経費です。」
「怖いな。
顔じゃわからないからな。」
もちろん全ての中国人がスパイじゃないが、フエさんは…
ありえないな、冷蔵庫に隠れていたんだ。